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2020.06.23

観光地回復に官民を挙げた取り組みを

新型コロナウイルス感染症は国内観光地、観光産業を直撃した。各国からの入国禁止などで訪日旅行者はほぼゼロと言えるまでに激減したし、国内旅行者も外出自粛などの影響で旅行することを取りやめたため、各地の旅行業、宿泊業だけでなく飲食、物品販売業など観光産業全体に深刻な影響が生じた。

 

しかし、6月19日には都道府県をまたぐ移動の自粛が全国で緩和され、コンサートや展示会などのイベントの開催も一定の人数や収容率のもとで開催できるようになったほか、接待を伴う飲食業などの業種も感染防止のガイドラインを守ることを前提に休業要請が撤廃された。

新たな感染拡大を防ぐための「新しい生活様式」が不可欠となるが、新型コロナで低迷した社会経済活動のレベルは、これでほぼ感染拡大前のレベルに戻すことができるようになったわけだ。

 

だがそれは〝活動レベル〟を戻すことが可能になっただけで、打撃を受けた国内観光産業が即座に回復するということではない。

新型コロナで落ち込んだ観光産業を反転攻勢させるためには、全国の観光産業の自助とともに、雇用の維持や事業の継続はもちろん、国内需要の喚起や今後のインバウンド対策など、政府や自治体の強力な支援策が不可欠となる。

 

観光庁が先ごろ公表した観光白書では「観光分野における新型コロナウイルス感染症対策」と題した章を設け、今後の政策展開の方向性などを示している。

白書は「反転攻勢に転じるための基盤の整備」として、現在のような「感染拡大防止期間」を「将来の観光需要回復に向けた積極的な『助走期間』」と位置づけ、各種の基盤整備を進める考えを示している。

具体的には、①意欲的な宿泊施設に、補助金申請手続や改修プランの作成などを支援するアドバイザーを派遣②従業員向けの語学研修を行う通訳案内士の派遣③各地の観光資源やイベントを集客力の高い滞在型コンテンツへ磨き上げることを支援④観光地や公共交通機関でのインバウンド受入環境整備の取り組み支援-などを行うという。

 

その上で「国内旅行の需要喚起」として「GoToトラベル」事業を実施。宿泊・日帰り旅行商品の割引を行うほか、地場の土産物店、飲食店、観光施設、交通機関などで幅広く使用できる地域クーポンを発行し、観光需要を喚起するという。

 

インバウンドについては「国・地域ごとの感染収束を見極め、誘客可能となった国等では、航空便の復活と合わせて、速やかに航空会社と連携した訪日プロモーションを開始し、インバウンドの回復を図る」としている。

 

安倍政権は4月7日に策定した「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」に「観光・運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメント事業等に対する支援」を盛り込み、「GoToキャンペーン」事業の展開などを決めている。

その準備をやっと実施に移せる段階になったわけだが、観光地、観光業の回復には官民を挙げた取り組みが不可欠となる。

 

 

(terracePRESS編集部)

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