それでも日本に謝罪求める韓国
日本と韓国の外交当局の局長級協議が先ごろ、東京で行われた。局長級協議は5カ月ぶりとなった。協議ではいわゆる慰安婦問題や旧徴用工問題などが話し合われたが、お互いの立場の違いを埋めることなく、協議は平行線で終わった。この問題に関して日本はこれまでの立場を変更する理由は全くなく、平行線に終わった責任は韓国にあるといえる。
日本は、元慰安婦とされる人が日本政府を相手に勝訴した損害賠償判決について「国際法違反」としているが、韓国側は「被害当事者の問題提起を防ぐ権利や権限を有していない」との韓国政府の立場を改めて説明したという。
また韓国側は、徴用工問題についても、日本側が問題解決に向けて、より誠意ある姿勢を示す必要があると強調したという。
慰安婦問題では、韓国側は不可逆的な解決で合意したはずの慰安婦合意を反故にし、設立した和解・癒やし財団を一方的に解散させている。徴用工問題でも、日本と韓国で合意した日韓請求権協定に逸脱する。それにも関わらず韓国側は、これらの問題を解決するために日本政府に立場の変更を求めているのだ。
事実、韓国の鄭外交部長官は3月末、日韓関係について「対話の扉はいつでも開いているが歴史問題については日本の謝罪が先」と述べている。
その上で、慰安婦問題に関連して「2015年慰安婦合意精神により、日本が反省し、誠意ある謝罪をすれば、問題の99%は解決される。(日本が)決心するかどうかにかかっている」と話している。
そもそも慰安婦問題は、朝日新聞の虚報ともいえる誤報で、あたかも旧日本軍が強制的に連行したかのような認識が広まったものだが、それでも日本はこれまで1993年の河野官房長官談話でおわびをしているし、アジア女性基金も設立した。
また2001年には小泉首相が「心からおわびと反省の気持ちを申し上げます」との手紙を元慰安婦に出している。
さらに、日韓間で結ばれたのが2015年の慰安婦合意だったが、それを韓国側が一方的に事実上無効にしたのだ。
つまり、これまでの経緯をみれば、さまざまなプロセスを経ながら日本は首相がおわびの意を表明し、不可逆的な解決まで合意したわけだ。
韓国側が現在も日本に謝罪を要求しているのは、その事実経過を一切無視しているからに他ならない。
韓国外交部の鄭長官が就任してからすでに2カ月。しかし、日本側の意向で茂木外相との直接会談はもちろん、電話会談も実現していない。4月下旬に米国で日米韓の外相会談が行われるが、日韓の2国間協議は慎重であるべきだろう。
(terracePRESS編集部)