愚劣な質問する議員の資質
相変わらず、国会では野党の低次元の質問が続いている。立憲民主党の今井雅人議員が衆院内閣委員会で、政府のサイバーセキュリティー戦略本部の担当大臣を兼任する桜田義孝五輪相に「ご自身でパソコンを使うか」と質問、これに対し桜田氏が「25歳の時から自分で独立し、そういうことは常に従業員、秘書に指示をしてやっているので、自分でパソコンを打つということはない」と答弁した。
今井氏は「サイバーとはネット空間のこと。パソコンをいじったことがない方が、サイバー空間のセキュリティー対策をするなんて信じられない。総理が適材適所と言うが、そうは思えない」と、鬼の首を取ったかのように批判した。
桜田氏はこれに対し「あくまでもサイバーセキュリティーは私1人で決めることではない。私の事務所、国の総力を挙げて総合的にやること。落ち度がないと自信を持って言える」と反論した。
多くのメディアもこのやりとりを紹介、サイバーセキュリティー戦略本部の担当相としての適格性に疑問符を投げかけた。
しかし、パソコンを使わないとサイバーセキュリティー戦略本部の担当相の適格性に欠けるのだろうか。
では、小銃を撃ったことがない防衛相はどうなのか。農業をやったことがない農水相、建設業をしたことがない国交相、病気の診察したことがない厚労相はどうなのか。すべて適格性に欠けるというのだろうか。
今井氏の衆院内閣委員会での質問は、こんな愚問と同様にレベルの低いものだったのだ。
政治家に求められるのは、パソコンを使った経験やUSBを知っている、知らないではない。
大局観を持っているのか。正しい歴史認識があるのか。未来を見通せる思考になっているのか。国に寄与するという姿勢があるか。時世を読み取る能力があるのか。こうしたことが問われるのである。
少なくとも、国会で大臣に「パソコンを使ったことがあるか」という質問を投げかけるような野党議員には、このような資質は持ち合わせていないだろう。
だから、国会という場で愚劣な質問をしても、それが低次元であることすら気づかないのだ。