枝野立民代表の無責任を嗤う
立憲民主党の枝野幸男代表が8月29日、那覇市内で記者会見し、米軍普天間基地の代替施設である名護市辺野古の飛行場建設について「辺野古新基地を建設しない解決策に向け米政府と再交渉すべきだ」と語ったという。枝野氏は「辺野古の工事は無制限に止めるべきだ」とも強調。その上で、立憲民主党がオール沖縄の枠組みに参加したいとの考えも示した。
改めて指摘するまでもないが、辺野古移設への反対活動には過激派も入り込んでいる。枝野氏は、革マル派活動家が浸透しているとされるJR総連などから献金を受けており革マル派に近いといわれている。だから、同じ辺野古移設反対を主張するオール沖縄に参加したいという訳ではないだろうが、その無責任な発言には驚かされる。
枝野氏は、2009年9月に発足した鳩山政権で、内閣府特命担当相を務めた。行政刷新の担当だが、鳩山内閣の一員だ。
その鳩山氏は、政権交代を実現させた衆院選の最中から、普天間飛行場の移設について「最低でも県外」と発言。その結果、県外移設は鳩山内閣の政策となった。鳩山氏は「腹案がある」などとも発言し世間を惑わしたが、結局のところ代替案を策定できず、2010年5月には日米安全保障協議委員会で日米両政府は「オーバーランを含み、護岸を除いて1800mの長さの滑走路を持つ代替の施設をキャンプ・シュワブ辺野古崎地区及びこれに隣接する水域に設置する意図を確認した」との共同声明を発表した。
枝野氏が一員だった鳩山内閣は、県外移設をぶち上げたものの、実現可能な案を策定することができず、辺野古での代替施設の建設に戻るという迷走をしたのだ。
枝野氏は「担当大臣ではなかったから関係ない」というのかもしれないが、当時の内閣の閣僚であったことは間違いなく、民主党政権は辺野古移設を容認した責任は当然あるはずだ。
枝野氏は29日の会見で「沖縄の分断と対決を生む新たな基地建設はあまりにも無理がある」と発言しているが、沖縄を分断したのは「最低でも県外」と幻想を振りまいた鳩山内閣であり、民主党だ。
日米の合意形成、地元沖縄の了解を得るなどのために時間はかかっていたが、徐々に前進していたのが、鳩山内閣によりそれが一挙に瓦解し、沖縄は分断された。その責任は枝野氏にあるのだ。