立憲・分党国民との合流で民主党が再来?
立憲民主党と国民民主党の合流話は、党名問題などでゴタゴタしたが、最終的に国民側の分党でほぼ決着がついた。野党が選挙目当てに離合集散することはよくあることだが、それにしても基本政策も分からない、共産党との距離感も不明なまま。ましてや民主党を引っ掻き回した小沢一郎氏も合流するとなると、民主党の再来と言われても仕方ないだろう。
そもそも立憲民主党は民主党政権時代に官房長官を務めた枝野氏が代表になっているほか、首相だった菅直人氏が最高顧問、厚労相だった長妻昭氏が代表代行、首相補佐官だった逢坂誠二氏が政務調査会長、財務大臣だった安住淳氏が衆院国会対策委員長など民主党政権時代の主要なメンバーが現在も幹部に名を連ねている。
その面々と民主党政権を作り、運営した小沢一郎氏は現在、国民民主党だが、今回の合流で立憲側に入るという。
実は民主党政権が崩壊後の2013年5月11日、「民主党公開大反省会」という公開イベントが開かれ、菅、枝野、長妻の3氏がさまざまな質問に答えている。小沢一郎氏の評価について問われた枝野氏は「分からない人。何をしたいのか、とにかく分からない。一言で尽きる」と述べている。枝野氏は同じ政治家として理解しがたいという痛烈な批判をしているのだ。
この枝野発言を解説したのが菅氏で、「私には良くわかるんだな。小沢さんと言うのは、自分の権力が最大限の状態を維持したい人。そこで考えると、あとは全部手段。そういう人です。例えば消費税なんかもかつて小沢さんは細川政権では引き上げることに中心的な行動をしたが、今度は絶対反対となる。そういう例は山のようにあるわけで、判断基準はまさに政策ではなくて、自分の政治的影響力が大きくなるには何を言えばいいか、それがすべての判断基準になっている」と指摘。
その上で司会者から「事前に分からなかったのか?」と問われた菅氏は「傾向は分かっていたが、これほどひどいとは思わなかった」と苦笑交じりに話している。
今回の合流話を巡り、国民の玉木氏との会談を避けた枝野氏は、8月13日にその小沢氏とは会談。枝野氏は「いろいろな助言もいただいて、両党の間で、合流する場合の条件を整えることができた。最後まで協力をお願いしたい」などと述べている。
これに対し、小沢氏は「私自身は一兵卒の立場だが、期待に添えるよう努力したい」と
応じている。
小沢氏は自身を「一兵卒」と称したが、他党の一兵卒とわざわざ会談し、協力を要請したことをみれば、手段さえ選ばず党の勢力の拡大を図りたいという枝野氏の思惑はみえみえだ。
自身が「分からない人」、首相時代も決して褒められたわけではないが、立憲の最高顧問である菅氏がかつて「これほどひどいとは思わなかった」と評した小沢氏に頭を下げ、民主党時代の〝夢〟を再来させようというのが、今回の合流なのだろう。
(terracePRESS編集部)