菅新政権は「新社会創出政権」だ
自民党の新総裁に菅義偉氏が選出された。菅氏は16日召集の臨時国会で首班指名を受け、第99代首相として菅政権をスタートさせる。新政権は新型コロナウイルス感染症対策はもちろん、規制改革、デジタル社会の構築、地方活性化などさまざまな課題に取り組む「新社会創出政権」になりそうだ。
新総裁選出後、菅氏は記者会見で「(日本社会に)おかしな部分があれば徹底的に見直しをし、この日本の国を前に進めていきたいと思う。そういう中でやはり役所の縦割り、さらに既得権益、そして前例主義を打倒して規制改革をしっかり進めていきたい、このように思っている」と述べている。さらに組閣に関連して「規制改革は徹底してやりたいと思っているので改革意欲のある人、改革に理解を示してくれる人、そうした人を中心に人事を進めていきたい」と語っている。
規制改革を強力に推進する内閣で、もし改革を阻む既得権益があれば、正面から切り込むという決意だ。そのためには、もし霞が関の官庁に縦割りなどの問題があり、規制改革が進まなければ、役所の在り方も是正する考えも表明したと言える。
また新型コロナ対策については「国民の皆さん一人一人が安心して安定した生活を取り戻す、そのためにはこの危機を乗り越えていくためには、安倍総理の下で取りまとめてきたコロナ対策とか、そうしたものを実行に移さなければならない」と述べ、感染防止と経済再生の両立を推進に強い意欲を示している。
また、新型コロナ感染症対策を巡っては、日本のデジタル基盤、特に行政のデジタル化の遅れが露呈した。菅氏は総裁選を通じてデジタル庁の新設や厚労省再編などを打ち出してきたが、会見では改めて「なぜこのデジタル庁を作るといったかといえば、やはりどうしても各省庁が持っている。それを法律改正しなければできないから、思い切ってその象徴としてデジタル庁を作る。それで法改正も早速やっていきたいと、法改正に向けてさっそく準備をしていきたいと思っている」と断言している。
その上で、省庁の再編などについて「今は省庁の皆さんも、変えていかなければならない、私はかなりの人たちが思い始めてきたのではないか。私が今官房長官をやっているからということでなく、省庁そのものもやはり改革に前向きにしないと立ち行かなくなるという、そうした考え方の方が非常に大きくなってきているのかなというふうに思っている」と話し、省庁改革にも意欲を示した。
総裁選を通じ菅氏はさまざまな政策を打ち出しているが、これらの新型コロナ対策、規制改革、デジタル基盤の推進、省庁改革も新しい社会を構築するためには不可欠なテーマだ。新型コロナ感染症により、日本は現在、新生活様式の定着が求められているが、生活様式だけではなく、新しい社会の構築こそ急がれているのだ。そういう意味では菅新政権は「新社会創出政権」と言えるだろう。
(terracePRESS編集部)