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2020.10.26

注目したい「『新しい人の流れ』で経済に活力」

「新しい人の流れ」の創出で経済に活力-。23日開かれた政府の経済財政諮問会議で、人の流れを新しく作ることで経済を活性化する方策が議論された。都会から地方、企業から企業といった人の流れが地方や企業に活力を与える。それによって日本経済を成長させようというものだ。もちろん、それはデジタル化や働き方改革なども内包されるが、人の流れを作る改革は、今の日本の経済社会にとって不可欠なものだ。

 

経済財政諮問会議では、有識者議員が「『新しい人の流れ』の創出で経済に活力」とのタイトルの提案書を提出した。

提案書は、改革の基本方針として「新型感染症の下、地方への関心が高まる一方で、産業や企業を取り巻く環境は大きく変わっている。デジタル活用で人の活動パターンが変わりつつある今こそ、都会から地方へ、企業から企業へと、『新しい人の流れ』を創る改革を大胆に推し進めるべきである」と強調している。

 

確かに新型コロナウイルス感染症で日本の経済社会は、そのあり様が大きく変わった。テレワーク、リモートという仕事の仕方が社会に浸透し、「ワーク(労働)」と「バケーション(休暇)」を組み合わせた造語のワーケーションや二地域居住という生活の仕方が注目を浴びた。

新型コロナは日本の経済社会にとって、社会のあり方を見直す契機にもなり、現在は見直す方向性についてさまざまな意見や考え方が提起されている。

 

有識者議員が示したのは「『新しい人の流れ』の創出で経済に活力」というもので、早急に取り組むべき重点課題として「活力のある地域社会に向けて、観光・農業をはじめとする雇用の場と利便性の高い生活環境を整備し、地方への人の流れを創る。特に、企業活力を強化するための金融機能の強化・コーポレートガバナンス改革、そこで活躍する人材活性化に向けた働き方と生き方改革」などと言及している。

 

特に地方については、地方と都会のデジタル教育格差の是正やオンライン診療の恒久化はもちろん、「特色ある農林水産業、観光を通じた内外需の拡大、地域のグリーン成長の実現により、所得や域内投資の流れを拡大し、域内の経済の好循環を拡大すべき」 「外資系企業が東京圏に集中しており、マッチングや外国人の生活環境改善等を通じた地域への呼び込みに取り組む自治体や企業等への重点的支援」などとしている。

 

現在の地方創生は、2014年に制定した「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、①稼ぐ地域をつくるとともに、安心して働けるようにする ②地方とのつながりを築き、地方への新しいひとの流れをつくる ③結婚・出産・子育ての希望をかなえる ④ひとが集う、安心して暮らすことができる魅力的な地域をつくる-を基本目標としている。

この「『新しい人の流れ』の創出で経済に活力」がそのまま政府の施策となるか否かは分からないが、菅政権は地方の創生、再生を重要視しており、そのため地方活性化策も加速させることは間違いない。

 

(terracePRESS編集部)

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