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2020.10.28

それでもメディアが批判したい所信表明

菅首相の所信表明について、朝日新聞は27日付け朝刊で「初の所信表明 国民の胸に響いたか」と題した社説を掲げた。社説は「所信表明演説としては、肩すかしと言うほかない」「全体を貫く理念や社会像の提示は十分とはいえない」と述べ、所信表明演説への批判を展開した。派手さはないものの、やるべきことをきっちりと伝えた演説であったが、それでもメディアは批判したいようだ。

 

そもそも菅政権は安倍政権を継承するという性格を持っているので、菅首相の初の所信表明でまったく別の社会像が示されることはない。

しかし、そのなかでも首相は「私が目指す社会像は、『自助・共助・公助』そして『絆』。自分でできることは、まず、自分でやってみる。そして、家族、地域で互いに助け合う。

そのうえで、政府がセーフティネットでお守りする。そうした国民から信頼される政府を目指す」と述べている。

社説は「『自助・共助・公助』そして『絆』」というお定まりの言葉はあったが、その内実は相変わらずよくわからない」などと指摘している。

 

しかし、首相の言う「『自助・共助・公助』そして『絆』」の意味が分からないとすれば、それこそ理解しがたい。

 

自助を行うためには国民が自立していなければならないし、共助を実現するためにはコミュニティーが存在しなければならない。そして公助を行うためには政府がセーフティネットを用意することが不可欠だ。

つまり国民一人一人が自立し、地域にはコミュニティーが存在し、政府も国民を助ける。そうした社会が菅首相の目指すべき社会だということが理解できる。

 

「お定まりの言葉はあったが」などと揶揄するのではなく、もし理念や社会像がないというのなら、そこを論ずるべきではないだろうか。

もっともこの社説の書き出しは「人目を引くキャッチフレーズは避け、実務重視で各論を積み上げていく。それが菅首相の流儀なのだろうが、就任後初めての所信表明演説としては、肩すかしと言うほかない」というものだ。「肩すかし」という批判をするには苦しい言葉を使っている。

 

それは朝日も書いているように「人目を引くキャッチフレーズは避け、実務重視で各論を積み上げていく」所信表明だったからだ。実務重視で各論を積み上げ、その結果、経済社会の改革が進み、国民生活が向上し、国民の安全が確保されれば、国民の期待に応えられる政権となるのだ。

菅首相は演説の最後で「結果を出して、成果を実感いただきたい」と強調しているが、社説も「確かに政策の迅速な実現は国民にとって利点もある」と述べている。

しかし、社説は「だからといって丁寧な説明や合意形成のプロセスをはしょっていいことにはならない」と指摘しているが、各論を積み上げ、結果を出すことこそ、国民が納得できる説明になるのだ。

 

(terracePRESS編集部)

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