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2021.01.20

〝国民の食い扶持〟作る菅政権

菅首相が18日召集された第204通常国会で、初めての施政方針演説を行った。新型コロナウイルス感染症対策という重い課題を背負った菅政権だが、文字にして約1万1000字の演説では、コロナ対策以外でも災害対策や中長期戦略、東京一極集中の是正、農業活性化、少子化対策、社会保障対策など多岐にわたり今後の日本の成長の道筋を示している。

 

「国民の食い扶持をつくっていくのがお前の仕事だ」。菅首相は演説の末尾で、47歳で衆院議員に初当選した際、師事していた梶山静六元官房長官からの助言を紹介した。

資源が乏しい日本は戦後、奇跡的ともいえる高度成長を遂げ、欧米諸国へのキャッチアップを果たした。

しかしそれも、現在の日本は豊かになったが故の消費の鈍化や多様化、少子高齢化と人口減少の進展、デフレ経済などさまざまな隘路がある。アベノミクスの「三本の矢」により、バブル期以来の好調を取り戻したが、デフレを完全に脱却したとは言い切れない中で、新型コロナウイルスという未曽有の危機に直面。そしてその出口は、遠くはないもののまだ見えてはいない。

 

新型コロナウイルス対策の重要性は言うまでもない。対策は強力に進めるにせよ、その一方で、同時並行的にポストコロナの時代にも世界をリードできるよう、日本経済が再び成長しなければならない。

 

もし、そこで手を抜き、海外諸国との競争に立ち遅れるようなことがあれば、国民生活は疲弊することは間違いない。日本は現在「飽食の時代」とも言えるが、飽食の社会を作ることができているのも、日本に経済力があるからだ。世界的に食料があり余り、その余剰分が日本に輸入されているのではない。経済力があるから食料も輸入できているのが実態だ。経済力が低下すれば、食の心配すらしなければならない。

 

日本人が豊かな生活を維持するためには成長することは必須だ。成長とは菅首相が演説で言った「国民の食い扶持」を作ることだ。その「食い扶持」は、首相が示した「グリーン」と「デジタル」だ。

首相は「2050年カーボンニュートラルを宣言した。もはや環境対策は経済の制約ではなく、社会経済を大きく変革し、投資を促し、生産性を向上させ、産業構造の大転換と力強い成長を生み出す、その鍵となる」「過去に例のない2兆円の基金を創設し、過去最高水準の最大十%の税額控除を行います。次世代太陽光発電、低コストの蓄電池、カーボンリサイクルなど、野心的イノベーションに挑戦する企業を、腰を据えて支援することで、最先端技術の開発・実用化を加速させる」と強調。

 

デジタルについては「この秋、デジタル庁が始動する。改革の象徴であり、組織の縦割りを排し、強力な権能と初年度は3千億円の予算を持った司令塔として、国全体のデジタル化を主導する」「小中学生に1人1台のIT端末を揃え、9000人のデジタル専門家がサポートする。子どもたちの希望や発達段階に応じたオンライン教育を、早期に実行する」と述べている。

 

ここに紹介したのは一端だが、菅政権は着々と「食い扶持」を作っている。新型コロナ対策の一方で、こうした成長戦略を描き、実行していくことこそ責任ある政府の姿勢だ。

 

(terracePRESS編集部)

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