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2021.01.21

厳しい状況にも対応できる菅政権のマクロ経済政策

2021年は、新型コロナウイルス感染症収束後の社会の構築に向かって動き出す重要な一歩となる。そのためにまずは、日本経済をかつてのデフレ状態に逆戻りさせないという固い決意が必要だ。さまざまな政策手段を活用して足元の経済を立て直し、この課題に取り組むことが、新型コロナの感染防止と並び重要な政策課題となる。

 

「本年2021年が、我が国経済・社会の大きな変革のラストチャンス、との気概を持って、日本が新たな、そして大きな一歩を踏み出す一年となるよう全力を尽くす」。通常国会が召集された18日、西村経済財政政策担当相は経済演説で、こう語った。

 

「大きな変革の年」としなければならないのはその通りだが、足元の経済は決して楽観視できない。そもそも2020年の第2四半期時点(7-9月期)で日本経済のGDPギャップは足元で約34兆円とされていた。確かに、2020年7-9月期の実質GDPは前期比年率21.4%の大幅増加となったが、4~6月期が前期比7.8%減、年率換算27.8%減という大幅な落ち込みだったために、前期比では大幅なプラスとなったに過ぎない。

 

政府はそのGDPギャップを埋めるために、昨年12月に財政支出40兆円程度、事業規模で73・6兆円程度となる「国民の命と暮らしを守る安心と希望のための総合経済対策」を策定し、この対策を第3次補正予算に反映させている。

昨年の緊急事態宣言による経済の低迷を経済対策、第3次補正予算で下支えしながら、21年度予算につなげることで、来年度の実質GDP成長率を4.0%程度と見込み、GDPを来年度中にコロナ前の水準に戻すというシナリオを描いていたわけだ。

 

しかし、そうした中で昨年末からの新型コロナの感染拡大があり、現在は11都府県を対象とした緊急事態宣言が発出されている。回復シナリオの中に大きな下振れリスクが顕在化したわけだ。

 

もちろんだからと言って、緊急に新たな経済対策を行う必要はない。昨年末の経済対策による2020年度第次3補正予算、21年度予算で切れ目のない対策を実施することで、当面のマクロ経済対策は可能となる。

西村経済財政政策担当相も経済演説で「(昨年末の経済対策は)医療提供体制の更なる強化やワクチン接種体制の整備など、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に全力を挙げるとともに、感染症の厳しい影響に対し、雇用と生活をしっかりと守ること、同時に成長分野への民間投資を呼び込みながら、民需主導の成長軌道の実現につなげること、という二つの視点の下、予算・規制・税制といったあらゆる政策手段を総動員し、防災・減災、国土強靱化の推進も盛り込んだ総合的な対策としている。本対策の裏付けとなる令和2年度第3次補正予算を令和3年度当初予算と一体的に、15カ月予算として切れ目ない経済財政運営を行っていく」と述べている。

もちろん、来年度予算については、経済状況を勘案しながら更なる補正予算の編成が必要となる可能性もある。

 

再度の緊急事態宣言と厳しい状況とはなったが、厳しい経済状況にも対応できる方策を策定しているのが菅政権のマクロ経済政策と言えるだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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