「生活保護」発言を曲解した野党、メディア
菅首相が参院予算委の質疑で「最終的には生活保護がある」と発言したと、野党やメディアが問題視している。それらの報道は首相があたかも「生活困窮者は生活保護を受ければいい」と言ったかのような印象を与え、その報道に接した人がネットで情報を拡散し、最終的にはまさに〝炎上〟状態にもなった。しかし、首相はメディアが伝えたような文脈で発言したのではなく、政府として当然すべき施策のことを述べたに過ぎないのだ。
野党やメディアが一方的に問題視した首相の発言は1月27日の参院予算委員会、立憲民主党の石橋通宏氏との質疑のものだ。
石橋氏は新型コロナウイルス感染症に関連して生活困窮者への対策などについて質した。
実際の質疑は一問一答形式だが、菅首相の発言を紹介すると、政府として当然のことを語ったことが明白になる。
菅首相はまず医療面について「コロナの中で政府としては、国民の皆さんが、医療が必要な人には医療を受けられる、そうした環境を整備するのが政府の役割だと思っている。そういう中で今日、逼塞しているので、そうしたことには今、全力を挙げて取り組んでいる」と述べている。
さらに国民の生活について「大事なのは雇用と暮らしだと思っている。雇用を守り、暮らしをしっかり支えていく政策。いろんな声があると思うが、できる限りのことについては対応させていただいたと思っている」と語った。
その上で首相は「いろんな見方があるでしょうし、いろんな対応策があるでしょうし、政府には最終的には生活保護と言う、そうした仕組みも、最終的にですよ、そうしたこともしっかりと最終的にはセーフティーネットとして作っていくことが大事だと思っている」と述べた。
野党やメディアなどが問題視した「生活保護がある」というのは、実は「生活困窮者は生活保護を受ければいい」という意味ではなく、「最終的には生活保護と言う仕組みをセーフティーネットとして作っていくことが大事」と政府の役割を述べたに過ぎないのだ。それも直前には「大事なのは雇用と暮らしだと思っている。雇用を守り、暮らしをしっかり支えていく政策」と述べているのだ。
それにもかかわらず、野党やメディアは首相発言の中にある「生活保護」という言葉だけを抜き出し、それも意識的に曲解して批判したに過ぎない。
政府がセーフティーネットを作るのは当然で、「最終的にはセーフティーネットとして作っていくことが大事だと思っている」との発言のどこに問題があるのか。
日本が新型コロナという〝国難〟に直面している中で、そんな意図的な野党のプロパガンダやメディアの報道によって、国民に誤解を与えるとしたらこんな悲劇はない。
(terracePRESS編集部)