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日米豪印4カ国連携を深化させる菅政権

菅政権が、インド太平洋地域の安定を目指す日米豪印4カ国の連携強化を進めている。4カ国連携の背景には、中国による国際秩序かく乱の増大がある。最近では尖閣諸島周辺の日本領海への中国海警局船舶の侵入も相次いでおり、4カ国連携の意味合いはますます高まっている。安倍前政権は目覚ましい「安倍外交」を繰り広げたが、菅政権も着実に外交を進めている。

 

日米豪印連携は4カ国による外交・安全保障の協力体制で、クアッド(QUAD)とも呼ばれている。2007年の第1次安倍政権が提唱した構想が基となっており、2019年9月に初の4カ国外相会談を実施。2020年11月には海上自衛隊が、インド洋やアラビア海域にて、4カ国の共同訓練「マラバール2020」に参加しており、4カ国連携が深まっている。

 

一方、中国は南シナ海で人工島を建設し、周辺国と領有権を争っているほか、広域経済圏「一帯一路」を掲げ、インフラ建設をテコに地域における影響力を高めている。

このため4カ国は、外交や安全保障面だけでなく、質の高いインフラ整備やテロ対策、サイバーセキュリティの面で協力する方針を打ち出している。

 

こうした状況の中で日米豪印の外相は2月18日、米バイデン政権発足後初の電話会談を行っている。会談では「一方的な現状変更の試みを始め、様々な分野で既存の国際秩序に対する挑戦が続いている中、基本的価値を共有し、法の支配に基づく自由で開かれた国際秩序の強化に深くコミットしている日米豪印4か国が果たすべき役割は益々大きくなっているとの認識を共有」しており、一方的な現状変更を試みる中国をけん制している。

 

また、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、「より多くの国々と共にこのビジョンを推進していくことの重要性を確認し、ASEAN、太平洋島嶼国、欧州などの国々と一層連携・協力を深めていくことで一致」している。

さらに、「質の高いインフラ、海洋安全保障、テロ対策、サイバーセキュリティ、人道支援・災害救援、教育・人材育成を始め、様々な分野で実践的な協力を更に進めていく」ことでも一致しており、4カ国連携の深化が促進されている。

 

ちなみに、翌日の2月19日に行われたG7首脳テレビ会議では、菅首相が「中国との関係について主張すべきは主張し、中国側の具体的な行動を求めていく」などと日本の基本的な考え方を説明した上で、東シナ海、南シナ海での一方的な現状変更の試みについての懸念を表明している。

 

尖閣諸島周辺の日本領海侵入をはじめ、中国によるインド太平洋地域での影響力拡大の試みは強化されていることは間違いない。これを放置すれば、国際秩序が破壊される懸念もある。菅政権は国際秩序維持のため、日米、日米豪印などの関係強化を進めており、それが日本の安全につながっている。

 

(terracePRESS編集部)

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