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2週間で問われるのは国民の行動

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う首都圏1都3県の緊急事態宣言の再延長について野党や一部メディアから「2週間の根拠が不明」「この2週間で何をやるのかも明確になっていない」などとの疑問や批判が出た。しかし、新型コロナの発生から1年が経過しようとする中でも、まだ手探りの対応をせざるを得ないのも事実。状況を見極めながら対応をしていくことも重要だ。

 

米国のニューヨーク市で5日、新型コロナ対策として昨年3月以来、休館していた映画館が約1年ぶりに再開されたという。ニューヨークは一時期、新型コロナの感染が国内で最も深刻な地域となり、ロックダウン措置がとられていた。

日本からみれば、まだ映画館が閉館されていたことが驚きだが、そうした情報に接すれば、欧米諸国に比べ日本の感染対策が順調なことが改めて分かる。

 

そうした中で、日本は首都圏4都県への緊急事態宣言を再度延長したが、野党側からはさまざまな批判が出ている。今回は、解除基準はクリアしているが、解除した後のリバウンドの懸念や病床確保の推移、変異株の状況などを見極めるため〝安全策〟を取った形だ。もちろん、政府の判断は純粋に医学的な側面だけでなく、社会への影響などの経済的側面も考慮しているのだろう。

 

医学的側面について言えば、西村経済再生相は5日の衆参両院の議院運営委員会で「病床使用率を安定的に下げることを見極める必要がある。2週間で可能になる」と説明したが、2週間で収束するか否かは、専門家でさえ断言できないのが事実だろう。

 

さらにメディア報道などには「次の手がない2週間」などの批判もあるが、もちろん政府はこの2週間で、自治体と連携してリバウンドにならないような防止策など体制強化を進める方針だ。

例えば、新たに高齢者施設について、今月中に約3万カ所で検査をしたり、繁華街での検査を強化したりすることなどが行われる。もちろん、3密の回避やテレワークの徹底などのほか、卒業式や入学式、歓送迎会、花見など、人が集まるイベントでの感染防止の徹底を呼びかけることなども含まれることは言うまでもない。

 

昨年末以来、19の都府県で確認されている変異株についても、3月から短時間で検出できる新たな検査を全都道府県で実施し、国内の監視体制を強化する方針だ。

 

菅首相は5日の記者会見で「当初お約束した3月7日までに宣言解除することができなかったことは大変申し訳ない思いであり、心よりおわびを申し上げます」と陳謝した。しかし、新型コロナ対策は政府がリーダーシップをとるものの、自治体や医療機関、企業、国民が行動するものだ。

そういう意味では、政府の責任と同時に国民一人一人の責任でもある。問われるのはこの2週間の政府の対策とともに、国民の行動なのだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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