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震災10年を機に「自助、共助、公助」の再認識を

東日本大震災が3月11日で10周年を迎える。死者・行方不明者約1万8000人以上という未曾有の災害となった大震災を契機に、人と人とが協力し合い、助け合う「絆」の大切さが認識されたが、それは菅首相が「自助、共助、公助、そして絆」を目指すべき社会像としているように、これからも構築していかなければならない日本社会の姿だ。

 

「自助、共助、公助」はそもそも、災害対策や社会保障などで求められる考え方で、自由主義、民主主義社会の根幹でもある。自助だけが求められれば、それに適応できない人は社会生活を送ることが困難になる。だからといって、公助だけに頼れば、個人の社会生活の制限につながったり、経済社会の発展を阻害したりすることになる。

だからこそ、自助、共助、公助のバランスがとれた社会の構築が必要となる。

 

菅首相は、首相就任直後から「自助、共助、公助、そして絆」を重視する社会の構築を打ち出したが、これに対して立憲民主党や共産党などから批判が相次いだ。

立憲の枝野代表は2020年10月の臨時国会の衆院代表質問で「いまの日本は、多くの皆さんが時代の恩恵を受けるどころか、厳しい時代の変化に翻弄されている。総理の言う、自助と共助と公助を順番に並べる考えは、端的に言って、昭和の成功体験にとらわれた時代遅れのものなのではないか」と批判している。

「政治が責任をもって支え合いの役割を果たす、『共生社会』の実現を掲げる」とも述べているから、自助よりも公助を優先させるということなのだろう。

 

しかし、こうした考え方こそ、国民から遊離したものだ。これは、防災に関してだが、内閣府が実施した世論調査で、「自助・共助・公助」のうち重点を置くべき対策について訊いている。

これをみると、2002年の調査時には「公助」に重点を置くべきと考えている割合は24.9%だったが、2017年調査では6.2%に減少している。一方、02年に18.6%だった「自助」は、17年は39.8%に高まっている。「共助」も14.0%から24.5%に増加している。

東日本大震災という大災害から経験し教訓として、日本人は「自助」の重要性や、人と人とが協力し合い、助け合うことの大切さを学んだのだ。これこそが「絆」で結ばれた社会だ。

 

菅首相は3月4日の参院予算委員会で、改めて「私の目指す社会像として『自助、共助、公助、そして絆』というものを考えている。まずは、自分でできることは自分でやってみる、そして、それができなったら、家族や地域で助け合っていく。それでもできなくなれば、政府が必ずセーフティーネットで支える。そうした社会像、全体が絆で結ばれている、そうしたことを目指したい」などと述べている。

 

新型コロナでも、自らの創意工夫で事業を伸ばしている人がいるし、そうした人が社会も支える。様々な人がいる社会が絆で結ばれ、一人一人の力も発揮できるような社会こそが「自助、共助、公助」の社会だ。

 

(terracePRESS編集部)

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