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国際競争激化に対応するシンクタンク設立へ

中国の経済、軍事的な伸張と、その抑止を図る米国との対立が顕在化する中で、科学技術・イノベーションの覇権争いが激化し、国際秩序の再構築の可能性も否定できない。先端技術は国民の利便にも脅威になる可能性があり、そのような脅威に対応するため、課題分析と対応策などを検討する組織も不可欠である。政府は、2021年度に新たなシンクタンク機能を立ち上げ、情報収集、調査機能を強化する方針だ。

 

政府の「イノベーション政策強化推進のための有識者会議『安全・安心』」が4月にまとめた「国及び国民の安全・安心の確保に向けた科学技術の活用に必要なシンクタンク機能に関する検討結果報告書」では、「我が国においても、先端技術を活用した安全・安心の実現に向けた取組を加速することが重要」とし、「政府からの課題設定に基づき、科学技術に係る高度な知見に基づく調査・分析・研究活動を踏まえた政策提言を実施」するような「安全・安心に関するシンクタンク機能」の必要性を指摘している。

 

シンクタンクの機能としては「調査分析」、「情報集約・連携」、「人材確保・育成」の3つの機能が想定されている。

「調査分析」は、脅威の動向、諸外国の政策・戦略、脅威に対応する技術、新興(エマージング)技術等に係る国内外の研究開発動向等の情報収集、調査・分析。

 

「情報集約・連携のハブ機能」では、国内外の様々な機関の知見・情報等の蓄積を踏まえて連携・ネットワーク化する。

また、「人材確保・育成機能」では、国内外の大学、研究機関、行政等と専門家人材等について連携し、調査分析活動から得られた知見や他機関との連携により、人材育成を実施すべく、連携・ネットワーク化する。

 

運営では、科学技術分野の高度な知見を活かした研究活動を政策提言につなげるため、シンクタンク機能の活動の客観性を確保する。また、統括組織となる有識者会議体(安全・安心ボード)を設置し、ガバナンスを確保する。

 

その上で、内閣官房や内閣府、経産省、外務省、国交省、総務省など各省庁が統括組織を通じて課題を設定、シンクタンクが各省庁に政策に資する提言や課題を提起する。

 

ただ、報告書では「政府における予算や人員配置等の制約を踏まえると、米国のシンクタンクのような研究活動に基づいて政策に資する提言を安定的に行えるシンクタンク機能を政府の外部に有することが必要」などとしている。3月に閣議決定した「科学技術・イノベーション基本計画」では、「2021年度より新たなシンクタンク機能を立ち上げ、2023年度を目途に組織を設立し、政策提言を実施する」としており、創設の前段階として、本年度中に民間機関に委託、研究内容を精査する方針という。

 

国際競争が激化するこれからの時代は、予測が困難な時代とも言える。それは経済と軍事的な安全保障も密接に関係する時代でもある。そうした時代に備えて、早急に実効性のあるシンクタンクが必要になっていることは間違いない。

 

(terracePRESS編集部)

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