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2021.03.05

緊急事態宣言でも踏ん張る雇用

新型コロナウイルス感染症の拡大に伴って11都府県に緊急事態宣言が出されたことで、日本経済は二番底を迎える懸念なども指摘されている。その中で先ごろ、1月の雇用統計が公表され、失業率の悪化を回避するなど雇用情勢への大きな打撃は回避されている。飲食業への時短協力金や雇用調整助成金などもあり、日本経済は踏ん張りをみせている。

 

総務省が発表した1月の労働力調査によると、完全失業率(季節調整値)は2.9%で、 前月に比べ0.1ポイントの低下となった。

最近の完全失業率の推移をみると、新型コロナ感染症の影響などで2020年2月の2.4%からほぼ右肩上がりで上昇し、10月の3.1%をピークに12月の3.0%までほぼ高止まりしていたが、21年1月は半年ぶりに2%台となった。

 

メディアなどでは昨年12月から今年1月にかけて新型コロナについて「第3波の到来」などと報じ、社会全体に危機感が高まっていたが、失業率をみると大きな影響を回避していたことが分かる。

事実、「定年又は雇用契約の満了」や「勤め先や事業の都合」により離職した者である「非自発的な離職」は63万人だが、前月より1万人(1.6%)の減少となっている。

 

もちろん、完全失業率は「遅行指数」であり、景気に遅れて動く性質があるため、今回の新型コロナの拡大で即座に雇用への悪影響がでなかったと言い難いのも事実だ。

 

さて、1月の数字をもう少しみると、就業者数は6637万人で、前年同月に比べ50万人の減少で、10カ月連続の減少となっている。雇用者数は5973万人で、前年同月に比べ44万人の減少。こちらも10カ月連続の減少となっており、就業者、雇用者とも減少している。

 

ただし、新型コロナ禍でも正規の職員・従業員は増えており、1月は3552万人となり前年同月に比べ36万人の増加。8カ月連続の増加となっている。

一方、非正規の職員・従業員数は2058万人で、前年同月に比べ91万人の減少。こちらは11カ月連続の減少となっている。

 

以上の状況をみれば、雇用情勢が新型コロナウイルス感染症以前に比べ改善したとはいえないことは確かだ。しかし、今回の感染拡大を受けても企業は雇用を守るよう努力をしていることは間違いない。

 

もちろん、それには政府や自治体による各種支援策があることも影響しており、日本ではそれらを基に官民が一体となって雇用維持を図っていると言っても過言ではない。今回の感染拡大では、政府は11都府県という地域限定の緊急事態宣言を選択し、雇用を守りながら感染拡大防止を図るというバランスのとれた対策を実行し、それが功を奏しているのだろう。

 

(terracePRESS編集部)

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