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2021.04.21

加速する菅政権の孤独・孤立対策

社会全体のつながりが希薄化していることや、新型コロナで人との接触機会が減っていることなどから、「孤独・孤立」が社会問題化している。菅政権は「孤独・孤立対策担当大臣」や「孤独・孤立対策担当室」を設け、対策を加速化させている。すでに、孤独・孤立対策に取り組むNPOへの緊急支援策もとりまとめ、今後は各省庁とも連携し、総合的に対策を推進する方針だ。

 

孤独・孤立対策に取り組むNPOへの緊急支援には約60億円を確保。自殺防止対策や生活困窮者支援、フードバンク、学校給食・子ども食堂支援、子供の居場所づくり支援、女性への相談支援、居住と就労などを交えた自立支援といった活動を行っている団体を対象としている。

 

例えば、自殺防止対策を行うNPO法人などへの助成には15億円を用意し、NPO法人などが行う電話やSNSを活用した相談体制の強化や、自殺相談窓口の積極的な周知など情報発信の強化などに補助金を給付する。実効性を高めるため、NPO法人などの負担は求めない。

 

また、フードバンクへの支援には4億円を充当。フードバンクに対し、生活困窮者向けの食品の受け入れ、提供を拡大するための経費を支援する。これも経費の100%を給付する。

 

これらは緊急対策で、本格的な支援は今後策定する。そのため政府は「ソーシャルメディアの活用に関するタスクフォース」「孤独・孤立の実態把握に関するタスクフォース」「孤独・孤立関係団体の連携支援に関するタスクフォース」の3つのタスクフォースを設置する。

 

ソーシャルメディアは、人々のネットワークを広げ、情報の交流を活発にする機能があり、孤独・孤立問題や自殺防止対策に重要な役割が期待されるが、「ソーシャルメディアの活用に関するタスクフォース」では、ソーシャルメディアの利用者に対する適切な情報提供の支援方策や相談体制の充実と連携強化、事業者とNPO法人との連携推進などを検討。

 

また、支援を行うには「孤独」「孤立」をどのように捉えるのかが重要になるが、これについては「孤独・孤立の実態把握に関するタスクフォース」で、「孤独」「孤立」の考え方を整理し、実態把握の現状と課題の洗い出しをするとともに、今後の取り組みなどを検討するという。

 

「孤独・孤立対策」は現在、NPOをはじめ民間団体が地域などで様々な活動をし、行政がそれを支援するという構図となっている。そのため「孤独・孤立関係団体の連携支援に関するタスクフォース」で、支援を必要とする人々に必要で適切な支援が効果的に届くようにするため、手続きの簡素化など民間団体などがより活動しやすくなるようにすることなどを検討課題としている。

 

菅首相は「自助、共助、公助、そして絆」を掲げているが、「官・民」にNPO法人などを加えた「共助」の取り組みを政府が支援して強化するということで、必要としている人へ必要な支援をするための環境整備をすることが政府の役割になる。

 

(terracePRESS編集部)

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