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2021.07.01

高齢者の孤立化の抑制を政府が加速

高齢化が急速に進む中で、高齢者の社会的な孤立が進んでいる。政府が先ごろ閣議決定した令和3年版の「高齢社会白書」でも、高齢者の孤立が進んでいることに懸念を表明している。以前から日本人男性の地域社会への参加意識の乏しさが指摘されていたが、政府は今後高齢者の地域社会からの孤立を防ぐため、社会活動への参加を促す取り組みを推進する方針だ。

 

「高齢社会白書」では、2020年度の「高齢者の生活と意識に関する国際比較調査」の結果を紹介している。この調査は、日本、アメリカ、ドイツ、スウェーデンの60歳以上の人を対象に行い、2015年度調査との比較も行っている。

 

各国の60歳以上の人に、総合的にみて、現在の生活に満足しているか尋ねたところ、現在の生活に満足しているとの回答(「満足している」と「まあ満足している」の計)は、アメリカが94.6%、スウェーデンが92.2%、ドイツ91.6%、日本81.6%となった。

 

今後、収入を伴う仕事をしたいか尋ねたところ、「収入の伴う仕事をしたい(続けたい)」と回答したのは日本が40.2%と最も高く、次いでアメリカ29.9%、ドイツ28.1%、スウェーデン26.6%となり、他国と比較して日本の高齢者の就労意欲は高い傾向がみられた。

 

一方、家族以外の人で相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人がいるか尋ねたところ、「いずれもいない」と回答した割合は、高い順に、日本31.3%(2015年度調査は25.9%)、アメリカ14.2%(11.9%)、ドイツ13.5%(17.1%)、スウェーデン9.9%(8.9%)となっており、日本は高い水準にあり、2015年度調査よりも増えていることが分かった。

 

また、新型コロナウイルスによる生活への影響では、複数回答で「旅行や買い物などで外出することが減った」は68.0%、「友人・知人や近所付き合いが減った」は55.3%、「別居している家族と会う機会が減った」は47.3%で、外出を控えていた様子がうかがえる一方で「メール、電話、オンラインでの連絡が増えた」は26.0%だった。

 

以上のように、日本は近所の人との付き合いについて、「相談ごとがあった時、相談をしたり、相談されたりする」、「病気の時に助け合う」と回答する割合が、他国と比較して最も低い水準となっており、また、家族以外の人で、相談し合ったり、世話をし合ったりする親しい友人もおらず、社会的な孤立化が懸念される状況となっている。

 

政府は、新型コロナウイルス感染症による影響が長引く中で、内閣官房に2月孤独・孤立対策担当室を設置し、孤独・孤立の対策に取り組む体制が整えられている。

孤立しないよう、就労意欲が高い高齢者が就労できるようにしたり、地域社会から孤立しないよう、ICTの利活用促進など、社会活動の参加を促す取組や見守りの支援の推進をする方針だ。

 

社会的なつながりの形成は、例えば埼玉県日高市社会福祉協議会が、コロナ禍で活動休止を余儀なくされたサロンやボランティア組織に対し、つながり続けるための選択肢の一つとしてのオンラインの活用を促しているなど、さまざまな動きも出ている。政府は早急に、そうした現場の取り組みを支援することが必要だ。

(terracePRESS編集部)

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