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2022.03.16

動き出した「デジタル田園都市国家構想」

政府は先ごろ、国家戦略特区諮問会議を開き、人工知能(AI)やビッグデータなどの最先端技術を活用した「スーパーシティ」型の特区、「デジタル田園健康特区(仮称)」に大阪市などの自治体を指定することを決めた。両特区は岸田首相が提唱するデジタル田園都市国家構想を先導するものと期待されており、デジタル化による社会の改革がスタートする。

 

「スーパーシティ」の特区に指定されたのは大阪市と茨城県つくば市。「デジタル田園健康特区」には岡山県吉備中央町、長野県茅野市、石川県加賀市の3自治体が指定された。

 

スーパーシティ型の特区は、「複数分野の大胆な規制改革と併せ、データ連携基盤を共同で活用して複数の先端的サービスを官民連携により実施する区域」と規定されている。具体的には大阪市は対象エリアを万博予定地の夢洲、大阪駅北の「うめきた2期」の2つの新規開発エリアとし、自動運転バス(レベル4)による万博来場者の輸送や、夢洲建設工事での貨客混載輸送、ドローンの積極的な活用のほか、遠隔診療など国籍や場所にとらわれない先端的な国際医療サービス、AIによる気象予報などを実施する。

 

つくば市は、新型モビリティやロボットの本格導入、マイナンバーを活用したデータ連携による健康・医療サービスの提供のほか、効率的な避難誘導と避難所での医療連携などを想定している。

 

また、「デジタル田園健康特区(仮称)」の3市町は、連携してデジタル技術を活用し、健康、医療の課題解決に重点的に取り組むもので、人口減少、少子高齢化、コロナ禍など地方の課題解決のモデル化を目指すという。在宅医療での看護師の役割拡大や、救急医療での救急救命士の役割拡大などのほか、健康医療情報の患者本人やその家族による一元管理(医療版「情報銀行」制度構築)、AI、チャット機能を活用した遠隔服薬指導などが進められる。

 

スーパーシティが、幅広い分野でDXを進める「未来社会」志向なのに対し、デジタル田園健康特区は、人口減少、少子高齢化など特に地方部で問題となっている課題に焦点を当てているもので、両特区は、デジタル化によってビジネスや教育、医療といったさまざまな課題を解決し、地方と都市の差を縮める「デジタル田園都市国家構想」に包含されるものと考えられている。

 

今回、スーパーシティには大阪市とつくば市の2市が指定されたが、全体では31自治体から提案があった。このうち今回の指定が決められたわけだが、提案内容の「熟度」の高い自治体から指定しているとされ、今後、他の自治体も提案の「熟度」が高まり次第、あらためて指定について検討するという。

 

岸田首相は国家戦略特区諮問会議で「今回の特区指定は始まりにすぎない。今後、これらの特区で規制改革を実現し、データの連携や先端的なサービスの実施を通じて地域課題の解決を実現していくことが、デジタル田園都市国家構想の実現につながる」と強調している。

 

新しい国の形であるデジタル田園都市国家構想を実現するためにも、官民を挙げた取り組みが不可欠となる。

 

(terracePRESS編集部)

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