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2022.04.11

石炭輸入禁止など対ロ制裁強化は国民の声

政府は、ロシアのウクライナ侵略にともない、ロシア産石炭の輸入禁止、在日ロシア大使館の外交官らの国外退去の要求など新たな制裁や措置を決めた。今回は、生活にも影響する可能性があるエネルギー分野に踏み込んだ制裁だが、制裁強化を求めるのは国民の声だ。生活への影響を避けることは当然必要だが、国民が〝痛み〟を容認することも重要だ。

 

岸田首相は8日の記者会見で「G7を始めとした関係国と連携して、日本が、国際社会が、ロシアによる暴挙を決して許さないこと。そして、日本がウクライナと共にあることを断固たる行動とウクライナの方々に寄り添った支援で示していく」と、制裁強化に踏み切った決意を示した。

 

今回追加した制裁は①ロシアからの石炭の輸入禁止②機械類、一部木材、ウオッカなどのロシアからの輸入禁止③ロシアへの新規投資の禁止措置の導入④ロシアの最大手銀行のズベルバンク、アルファバンクの資産凍結など金融制裁の強化⑤資産凍結の対象の拡大-5点。

これとは別に、ロシアに抗議するため、在日ロシア大使館の外交官らの国外退去を求めた。

 

日本の石炭の輸入先のうち、主に発電用に使う「一般炭」の13%、製鉄などに使う「原料炭」の8%をロシアが占めている。

一方、G7は首脳声明で「ロシアからの石炭の輸入禁止を含むロシアへのエネルギー依存低減に向けた計画的な速やかな実施やロシア産石油への依存度低減に向けた取組を加速する」などと明記されており、今回はG7の一員としてこの基本方針に従った形だ。

岸田首相も「日本としても、石炭の禁輸や石油を含むエネルギー全体のロシア依存度の低減に踏み込むこととする」と明言している。

制裁の実効性の確保や国民生活への影響緩和のため、輸入先の変更や原子力発電、再生可能エネルギーの活用などを着実に実施することが求められる。

 

一方、在日ロシア大使館の外交官らの国外退去要請は、通商代表部職員を加えた8人が対象。外務省の森次官が8日、ガルージン駐日ロシア大使を外務省に呼び、「多数の無辜の民間人の殺害は断じて許されない」と非難し、国外退去を求めた。

 

岸田首相は会見で「ロシアによる残虐で非人道的な行為がキーウ近郊のブチャのみならず、ウクライナ各地で次々と明らかになっている。ロシアは、これまでも民間人の殺害や原子力発電所に対する攻撃など、重大な国際人道法違反を繰り返してきた。断じて許されない戦争犯罪で、ロシアによる非道な行為の責任を厳しく問うていかなければならない」と指摘し、ロシアの戦争犯罪について国際刑事裁判所(ICC)による調査や国連による独立した調査を支持することを表明した。

 

ロシアはこうした日本の対応に反発しているが、日本政府は「今回の事態はそもそも全てロシアによるウクライナ侵略に起因して発生しているもので日本側に責任を転嫁しようとするロシア側の対応、これは極めて不当」(岸田首相)などと強い姿勢だ。

 

「日本は平和国家」などと言われるが、平和を希求する国だからこそ、ロシアの侵略を一刻も早く停止させるため、こうした政府の姿勢を支持していくことが不可欠だ。

 

(terracePRESS編集部)

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