安易な立憲民主党の選挙公約で日本は泥沼に
立憲民主党の参院選向けの選挙公約がまとまった。泉代表になって立憲は政策立案に比重を置いた政党に脱皮したかと思って公約に期待したが、一目見て噴飯物だと分かる代物。かつての民主党政権は日本を大混乱に陥れたが、民主党を源流とする立憲が責任ある政治ができないという構図は今も変わってないようだ。
立憲民主党は今回の公約で「生活安全保障」を前面に打ち出している。その生活安全保障を実施するための3本柱が「物価高と戦う」「教育の無償化」「着実な安全保障」だ。
その柱である「物価高と戦う」ための政策の1つが「円安放置の金融政策の見直し」だ。現在、政府は金融政策と財政政策を車の両輪とし、金融政策では異次元の金融緩和を進めている。
異次元の金融緩和とは、簡単に言えば物価が2%上昇するまで金融緩和を続けるというもので、立憲はこれについて見直すことを打ちだしている。
デフレ状態から脱し、自律的な経済成長を実現するための金融政策としてはもちろん、異次元緩和とは異なるアプローチもあるだろう。異なるアプローチで経済を活性化するというのならそれもあり得るだろう。
では、立憲はどのような金融政策が適切だと考えているのだろうか。そう思って公約を読むと「円安の進行とそれによる『悪い物価高』をもたらす『異次元の金融緩和』については、物価安定目標を前年比上昇率2%とした政府と日銀の間の取り決め(共同声明)を見直すなど、市場との対話を通じながら、見直しを進めます」と書いてあるだけ。
具体的な方向性などゼロで、中学生でも書けるような公約だ。
米国などは現在、利上げを行っているが、これは景気が過熱しインフレが加速したためで、日本とはファンダメンタルズが異なっている。そうしたことすら無視し、「金融政策の見直し」という言葉だけで、政策を提示するとは、有権者を愚弄していることと同じだ。
また、消費税もそうだ。「税率5%への時限的な消費税減税を実施します。これにより生じる地方自治体の減収については国が補填します」としている。
これでは何年程度の時限的減税かも不明だし、そもそも地方税の減収補填については言及しているが、国の税収分については記載していない。
消費税は現在、社会保障などの財源になっており、幼保無償化もそれで賄われている。そんな重要な点について言及しないとはお粗末極まりない公約だ。
また安全保障では「辺野古新基地建設を中止し、沖縄における基地のあり方を見直します」と盛り込んでいる。辺野古は新しい基地ではなく、普天間飛行場の代替施設であり、規模も格段に縮小される。それをあえて「新基地」と称し、国民をミスリードしようとしているのだろう。
そしてさらに驚かされるのが、普天間飛行場の返還について何も言及していないことだ。
政府は、普天間飛行場の返還を実現するため、一刻も早く辺野古の代替施設を完成させようと取り組んでいる。
立憲民主党にとっては世界一危険と言われる普天間飛行場については眼中になく、沖縄県の基地反対派の票だけが欲しいのだろう。
参院選は政権選択の選挙ではないが、もし立憲が政権を担ったら、日本は大混乱に陥るのだろう。
(terracePRESS編集部)