目標の1兆円目前の農林水産物・食品輸出

農林水産物・食品の輸出が好調だ。担い手の不足や高齢化が懸念されている農林水産業の新しい針路の一つに輸出の増大による国内農林水産業の活性化が期待されているが、安倍政権のもとで順調に進んでいる。

 

2018年の農林水産物・食品の輸出額(速報値)は9,068億円となり、前年に⽐べ12.4%増。2012年の4,497億円だった2012年から6年連続の増加。政府は2016年8月に閣議決定した「未来への投資を実現する経済対策」で「農林⽔産物・⾷品の年間輸出額の2019年1兆円達成」を目標に掲げており、目標到達が目前となった。

 

輸出物の品目別シェアをみると、日本酒、ソース混合調味料などの「加工食品」が17.7%、牛肉などの「畜産品」が5.5%、「穀物」が16.0%、リンゴ、ブドウなど「果物」15.6%、「林産物」6.0%、「水産物」10.5%などとなっている。

輸出先みると、香港が2,115億円でトップ。中国、米国、台湾、韓国、ベトナム、タイなどと続いている。

 

こうした農林水産物の輸出拡大は、政府の後押しの結果だ。政府の「農林⽔産業・地域の活⼒創造本部」が2016年5月に策定した農林水産業の輸出力強化戦略で、民間の意欲的な取り組み支援を強化などが効果を上げた。プロモーションを統一的に行ったり、さまざまな販売ルートや販売手法を提案したり、共同輸送の促進などを通じて出荷単位の大口化を図り、物流コストの低下などを行ってきた成果だ。

 

また、外国人旅行者に日本の農山漁村や日本食、食文化を体験してもらうなどソフト面の充実も功を奏している。

 

さらに、こうした従来の取り組みに加え、昨年8月には農林水産物・食品輸出プロジェクト(GFP)を始めている。

GFPでは、農林水産物・食品の輸出を意欲的に取り組もうとする生産者・事業者のサポートを図る「GFPコミュニティーサイト」を開設。同10月からは、サイトに登録した事業者などを対象に、農水省が輸出の可否の診断や、総合商社の商品リクエスト情報の提供、輸出希望商品の輸出商社への紹介、メンバー同士などさまざまなサポートを行っている。

今年1月現在で、登録事業者数は828社に達し、輸出診断(訪問診断)を希望しているのは523社というから、まだまだ輸出は拡大しそうだ。

 

また、日本とEUの経済連携協定の発効も追い風になりそうだ。牛肉、緑茶、かんきつ、日本酒、醤油・味噌などの関税が即時撤廃となった。EUは、GDP(国内総生産)で日本の約3.3倍、人口で約4倍という巨大なマーケットだけに、日本の農林水産物の輸出がさらに拡大することは間違いない。

 

このように、国内農業の振興を図る一つの手段である農林水産物の輸出は、順調に拡大している。それも政府の着実な政策展開があってこその話だ。

 

(terracePRESS編集部)