創立100周年を迎えても自己評価ができない共産党
日本共産党は先ごろ、党創立から100周年を迎えた。党員の減少や高齢化が指摘されている中で、各世論調査では政党支持率が1~2%に低迷。政党としての先行きはまったく見えていない。立憲民主党などの野党と選挙で共闘することが唯一の打開策と思われるが、そもそも国民が社会主義、共産主義社会を望んでいないという重大な事実に気が付いていないようだ。
共産党は創立100周年を迎え「日本共産党の歴史は、今に生きる力を発揮している―党創立100周年にあたって」と題した志位委員長の談話を公表している。
創立100周年だから談話を出すのは当然として、これを読むとまさに自画自賛のオンパレード。例えば「旧ソ連によるチェコスロバキア侵略やアフガニスタン侵略など覇権主義に、『社会主義とは無縁』と厳しい批判をつらぬきました」という。
そしてロシアや中国の覇権主義が「さまざまな面で深刻になっている」もとで、また、「日米安保条約を国民多数の合意で解消し、対等・平等・友好の日米関係をつくることを日本改革の中心課題にすえている日本共産党の立場は、いよいよ重要となっています」という。
ロシアや中国の覇権主義が深刻になっている中で、共産党は日米安保を解消することを目指す。では、どのように日本の安全保障を確保するのか。しかしながらそうなると途端に明確な方針も示せず、「外交努力」としか言わなくなる。日米安保を解消して覇権主義の大国に日本を差し出そうというのかもしれないが、こうした点を国民が疑念を持っていることなどは理解できない。
理解できないというより、自分たちこそが正しいという唯我独尊的な姿勢を隠そうともしない政党なのだ。
そんな共産党は、社会主義・共産主義の実現を掲げ続けている。旧ソ連や中国の問題については「『遅れた国からの革命』という出発点の問題がありました」として、「高度に発達した資本主義国・日本で、社会変革の道に踏み出した場合には、このような誤りは決して起こりえない」と断言している。
しかし、共産党の本質は旧ソ連も中国も日本も変わらないはずだが、なぜ〝起こりえないのか〟、その説明は一言もないのだ。
そして、これはもはや〝たちの悪い冗談〟といいたくなるが、志位委員長は談話で「資本主義のもとでつくりだされた自由、民主主義、人権の諸制度を引き継ぎ、発展させ、花開かせる――これがわが党が綱領で固く約束していることです」と述べている。
自由や民主主義、人権といった民主主義制度が生み出した価値観は、共産主義にはない。その共産主義にはない自由、民主主義、人権の諸制度を発展させるのなら、それは現在の自民党政権でも日々行っていることだ。
いずれにしても共産党は反皇室で、自衛隊を廃止、日米安保の解消を目指していることは間違いない。そして自由を弾圧する。そんな実態を「自由、民主主義、人権の諸制度を引き継ぐ」などと言って覆い隠しているだけだ。
しかし、国民はそんな共産党の実態を見透かしている。共産党だけがそれに気が付いていないのだ。
(terracePRESS編集部)