なりふり構わず、立憲、連合も批判する共産党
共産党が先ごろ、第6回中央委員会総会を開き、志位委員長が幹部会報告をした。そこでは惨敗した参院選の総括が行われたが、提案型政党を目指した立憲民主党や、その支持母体の連合を批判、野党共闘ができなかったのが敗因との分析をしている。野党共闘でしか生き残りを図れないのが共産党の実態だ。
報告では野党が共闘した候補について「野党候補の勝利は、2016年参院選の11議席、19年参院選の10議席から大きく後退し、3議席にとどまった。この結果は、自民党政治を変える道は共闘しかないこと―共闘の重要性を逆の形で示すものとなった」と指摘している。
共産党と立憲民主党は昨年の衆院選で「共通政策」と「政権協力」について合意しているが、今回の参院選では共産党がその合意の再確認と「対等平等・相互尊重」の原則にもとづく「選挙協力」を要請。
特に「政権協力」については、共産党は「わが党は、総選挙にあたって立憲民主党との党首会談で合意した『限定的な閣外からの協力』は国民への公約であり、維持・発展させるべきと主張したが、立憲民主党側は『今回は参院選なので必要ない』という立場で折り合わず、『今回は横に置く』こととせざるをえなかった」と指摘している。
その上で連合について「『民主主義のわれわれと共産(党)の考え方は真逆の方向を向いている』などと根拠のない日本共産党に対する非難を行うとともに、『共産党との連携はありえない』などと野党共闘を妨害する発言を繰り返し、自民党など共闘破壊勢力への援軍となった」などと強い調子で非難した。
共産党は、立憲との閣外協力を〝国民への公約〟などとしているが、その国民が、共産党が閣外協力をするような政権を望まず、衆院選での野党の敗北につながったとは理解できていないらしい。
志位委員長は今回の報告で①野党として現在の政治を真剣に変えようというならば、緊急の一致点で力をあわせることが必要不可欠②野党共闘攻撃の先兵となっている維新の会、事実上の与党となっている国民民主党など自公政権の「補完勢力」とは、正面からたたかう立場に立つべき③「対決」を否定する一部の議論をきっぱりとしりぞけるべき、といった3点を提起している。
つまり、共産党は、立憲に対して批判型政党に回帰し、共産党と共闘する。その際には連合に対しても野党共闘に反対する方針には毅然とした態度を取り、国民民主とは決別すべき、と言っているのだろう。
そこには、批判勢力として生き残りを図りたい、そんな共産党の思惑がちらつく。志位委員長は「野党共闘のこの原点を踏まえ、市民連合のみなさん、総がかり行動実行委員会のみなさん、共闘の発展を願う市民のみなさん、野党のみなさんとの協力を強め、国民的運動を力に野党共闘を再構築していくために全力をあげる決意を表明する」と述べているが、そこには一般有権者への視点はないようだ。
〝プロ市民〟を相手にしている限り国民政党にはなりえないことも自明の理だが、それも理解していないようだ。
(terracePRESS編集部)