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2022.10.03

国際社会と協調したさらなるロシア制裁が必要

ウクライナ情勢はロシアによるウクライナ東・南部4州の一方的な「併合」宣言とウクライナの北大西洋条約機構(NATO)加盟申請で、新たな局面に入った。岸田首相はウクライナのゼレンスキー大統領と電話会談するなど、国際社会と協調してロシアへの制裁を強化する方針。国際社会の秩序を維持するためには、強力な対ロ制裁が求められる。

 

ロシアのプーチン大統領は9月30日、侵略で占領したウクライナ東部、南部の4州を一方的にロシアに併合することを宣言した。「ロシアへの編入」を求めて占領地で実施した「住民投票」が併合を宣言した根拠となったが、そもそも軍事占領下で強行した住民投票には正当性を見いだせないものだ。

 

こうした事態を受けて岸田首相は同日、ウクライナのゼレンスキー大統領と約30分間電話会談している。

この会談で岸田首相は「ロシアによる侵略を一刻も早く止めさせるべく、G7等と結束して取り組んでいく」などと日本の姿勢を改めて伝達。

 

その上でロシアの占領地域で実施されたいわゆる「住民投票」と「編入」に向けた動きについて「ウクライナの主権と領土一体性を侵害し、国際法に違反する行為であり、決して認められてはならず、強く非難する」などと述べた。

ゼレンスキー大統領からは、日本の立場やこれまでの支援に対し感謝の意が表明された。

 

さらに岸田首相は、強力な対ロ制裁とウクライナ支援を国際社会と共に継続していくことや、平和の回復とウクライナの復興に向け、来年のG7議長として国際社会の議論をリードする決意を伝えたという。

 

政府は外相談話も公表し、「『住民投票』と称する行為及びロシアによるこれらの地域の『編入』と称する行為は、ウクライナの主権と領土一体性を侵害し、国際法に違反する行為であり、決して認められてはならず、強く非難する」として、併合を認めない日本の立場を改めて明確にした。

 

また、G7各国もプーチン大統領の併合宣言を受けてG7外相声明を公表している。声明では「我々は、これらの『併合』と称されるものも、銃を突きつける中で行われた偽りの『住民投票』も、決して認めない」と指摘。

 

その上で「我々は、ロシア及びこれらの国際法違反に対し政治的又は経済的な支援を提供するロシア内外の個人及び団体に対し、更なる経済的コストを課す。ロシアの侵略戦争から自国を防衛するウクライナの権利及びロシアから領土を取り戻す疑問の余地のないウクライナの権利への我々の支持は揺るぎない」と主張している。

 

一方的に軍事侵略し、一方的に併合を宣言するロシアの行為を容認すれば、アジアでも同様な事態を招くことにもなりかねない。こうした行為を認めないことを強硬に主張し続け、国際社会とともにロシアへの制裁を強化することが、アジアの平和を守ることにもつながる。

 

もちろん、対ロ制裁を強化すればロシアの対日姿勢が一層厳しくなることが予想されるが、そうした代償を払ってでも制裁強化を実施すべきだ。

 

(terracePRESS編集部)

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