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2020.01.28

夫婦別姓ヤジは大問題なのか

国民民主党の玉木代表の国会代表質問へのヤジが話題になっている。玉木代表が、交際相手から名字が変わるから結婚できないと言われた若い男性から相談を受けたとの話を紹介しながら選択的夫婦別姓の導入を求めた際に、議場から「だったら結婚しなくていい」とのヤジが飛んだという。

 

野党側はこのヤジをことさら取り上げ、なんと発言した議員を特定するよう大島衆院議長に申し入れたのだ。メディアは相変わらずの思考停止状態だから、この野党の喧伝をそのままニュースとして報道する始末だ。

 

さて、この問題を考えるには、野党は一体、何を求めているのかということを考えなければならない。仮に、ヤジの発言者が特定された場合、野党はその発言者に何を求めるのかということだ。ヤジの内容についての責任を取らせようということなのだろうか。

国会には衆院、参院とも懲罰委員会が設けられているが、果たしてこのヤジが国会議員の発言として懲罰の対象となるものと考えているのだろうか。もしそうだとしたら、まさしく言論風圧だろう。

 

結婚の際の名字については現行法のように夫婦がどちらかの姓を選択するほか、論理的には夫婦が別々の姓にすることを選択できる制度を導入するということもあり得るだろう。しかし、それは国会でのまともな議論に委ねるべきことだ。国会の中には、現行制度を維持すべきと考えている議員も、玉木代表の主張のように選択的夫婦別姓制度を実施すべきと考えている議員もいるだろう。だからこそ、その点についての議論が求められるのだ。

 

単なるヤジの発言者を特定して、もしその発言者が「私が間違えていました」とヤジを撤回したとしても、そこからは何も生まれない。しかし、そんなことは野党も百も承知のことだ。何も生まれないことが分かっていながら、ことさら大騒ぎしたのだ。

それは「桜を見る会」「IR事件」でも同じで、ただ単に安倍政権の失点稼ぎたいだけなのだ。

 

ちなみに2018年2月に公表されている内閣府の「家族の法制に関する世論調査」によると、婚姻前から仕事をしていた人が、婚姻によって名字を変えると、仕事の上で何らかの不便を生ずることがあると思うか聞いたところ、「何らかの不便を生ずることがあると思う」と答えた者の割合が46.7%、「何らの不便も生じないと思う」が50.7%となっている。

 

「何らかの不便を生ずることがあると思う」と答えた者のうち「婚姻をする以上、仕事の上で何らかの不便が生ずるのは仕方がない」と答えた者は22.1%、「婚姻をしても、仕事の上で不便を生じないようにした方がよい」が59.9%、「どちらともいえない」が17.8%となっている。

 

さらに「仕事の上で不便を生じないようにした方がよい」と答えた者のうち「仕事の上で通称を使うことができれば、不便を生じないで済むと思う」と答えた者が57.7%、「仕事の上で通称を使うことができても、それだけでは、対処しきれない不便があると思う」が41.2%となっている。

 

つまり夫婦別姓制度の導入を求めている人はまだ多数といえないのが実態なのだ。いずれにしても、単なるヤジを「政権の足を引っ張る好機」とばかりに騒ぐ野党は、まともな政党とはいえない。

 

(terracePRESS編集部)

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