1兆円超えた中小企業などへの持続化給付金
新型コロナウイルス感染症対策による営業自粛などで事業に大きな影響を受けた中小企業や個人事業者は数多い。そのような事業者の事業継続を支え、再起の糧とするのが事業全般に広く使える持続化給付金だ。その持続化給付金の支給金額が1兆円を超えた。
持続化給付金は、2020年1月から12月までの間で事業者が選択した「対象月」の月間事業収入が前年同月比50%以下となると支給対象となる。その減収分に応じて200万円を超えない範囲で支給されるもの。
農業、漁業、製造業、飲食業、小売業、作家・俳優業など幅広い業種で事業収入を得ている法人や個人が対象となる。
経済産業省によると、申請受付は5月1日からスタートし、1カ月後の6月1日までで約150万件以上の申請を受け付けた。
支給済み件数はその3分の2にあたる100万件、金額にすると約1兆3,400億円に達している。
また、制度のスタート当初は給付の際に10万円未満は切り捨てだったが、それも修正され、すでに給付済みの事業者などへの追加給付も合わせて、すべて1円単位まで支払うこととなっている。
以上のように着実に支給されているのが実態だが、メディアで伝えられるのは「届かない」など否定的な情報ばかりだ。そのため、国民には制度の利点や現実に多くの事業者が支給を受けていることは伝わっていない。
確かに、届いていないケースがあったことも事実だろう。経済産業省によると、例えば受付が始まった5月1日の申請分約18万件のうち6月2日現在で約91%に給付が完了しているが、残りの9%は振込口座の確認作業などを行っており、9%のうち2%は登録口座情報に問題がないことが判明し、すでに振込手続に入っているという。
しかし、口座情報に誤記などがあるケースもあり、それはさらなる確認や修正作業などが必要となるため、不備の修正後、現金の振り込みという手順になってしまうという。
いずれにしても、全体を見れば着実に利用者は増えており、そしてすでに100万件、約1兆3,400億円の支給は実施しているのだ。メディアもこうした現実を伝え、中小企業・個人事業者に利用してもらうようにすべきだろう。
(terracePRESS編集部)