「机上の空論」「美辞麗句」の立憲民主党
国民民主党などとの合流新党である「立憲民主党」がスタートし、旧立憲の代表だった枝野幸男代表が新しい立憲民主の初代代表に就任した。枝野氏は就任あいさつで「国民の皆さんの選択肢になろうではないか」と呼びかけたが、およそ政権の選択肢にはなり得ないのが実態だ。
枝野氏はあいさつで「私たちが今やらなければならないのは、まずは現実に向き合う政治、政治の緊張感を取り戻すことだ。机上の空論や美辞麗句は通用しない。したたかな自民党と強い緊張感、そしてリアリズムをもって向き合っていかなければならない」と述べた。
しかし、立憲民主党の源流である民主党政権時代は、鳩山首相が沖縄にある米軍普天間飛行場の移設先を「最低でも県外」と明言したために迷走をし、結局、辺野古の代替施設に戻さざるをえなかった。それだけでなく、公共事業の見直し、高速道路の無償化、事業仕分けによる財源の捻出など机上の空論で政策を進めようとした結果、ことごとく失敗に終わったことを忘れてはならない。
まったく政治のリアリズムを持たず、机上の空論だけで突っ走ったのが民主党政権だった。
だからこそ立憲民主党は「机上の空論」「美辞麗句」の政党にならないと期待したいところだが、かつての民主党同様、「机上の空論」や「美辞麗句」で終始するのだろう。
枝野代表は代表選で「様々な危機にあっても命とくらしを守ることのできる支え合う社会を構築」「多様な地域の持ち味を活かして一極集中を転換し、多様な生き方を自由に選択できる社会を実現」「国民の命と国益を守る現実的な安全保障・外交政策を推進」などを主要政策として掲げたが、まさにこの政策が具体性を何も持たない「美辞麗句」でしかない。
「政治は妥協の産物」とはドイツ帝国の初代首相だったオットー・フォン・ビスマルクの言葉で、理念と現実のはざまで現実的な選択をしていかなければならないことを意味している。しかしこれこそがまさにリアリズムなのだろう。
ところで、自民党新総裁に選出された菅官房長官が10日の民放テレビで消費税について「将来的には引き上げざるを得ない」と発言した。
菅氏の発言は「引き上げると発言しない方が良いだろうと思ったが、しかしこれだけの少子高齢化社会、どんなに私たちが頑張っても人口減少は避けることできない。そうした中で将来的なことを考えたらやはり行政改革は徹底しておこなった上で国民の皆さんにお願いをして、消費税は引き上げざるを得ないのかなということを率直に申しました」というものだ。
これは、あくまでも将来的な消費税の在り方に言及したもので、事実、11日の記者会見で「今後、10年ぐらい引き上げる必要はない」との安倍首相の認識と同じであることを明言している。
しかし、重要なことは、菅氏のように将来的に消費税の引き上げがあり得ることを明らかにすることが「リアリズム」であり、そこに「美辞麗句」はないということだ。
「机上の空論」「美辞麗句」に頼ることがまさに、立憲民主党など野党の常とう手段なのだ。
(terracePRESS編集部)