コロナ・経済対策、デジタル化、地方創生に熱い首相の思い
菅政権が9月16日の発足から1カ月が経過した。安倍前首相の退陣によって、安倍政治の継承を掲げて首相に就任した菅氏だが、この1カ月を振り返れば、改革にまい進する菅政権の姿が浮かんでくる。新型コロナウイルス感染症対策や経済の再建など混とんとした時代に必要なのはスピード感だ。
政権発足後1カ月が経過した10月16日、菅首相は首相官邸で会見し、この1カ月間について「常に念頭に置いているのは、やるべきことをスピード感を持って躊躇なく実行に移すこと。携帯電話の引下げを始めとして、できるものから改革を進めて国民の皆さんに実感として味わっていただくこと」などと述べている。
短い会見時間だったが、菅首相自身が語っているように、スピード感を持って改革を進めることが菅政権の課題であることが良くわかる。
では、菅首相は何を政権の課題と位置付けているのだろうか。実は菅首相はこの16日に、共同通信社加盟社編集局長会議であいさつをしており、ここでは比較的詳細に自身の考えを述べている。
最重要課題はもちろん新型コロナであり、首相は「この新型コロナウイルス、爆発的な感染拡大を絶対に防ぐ。そして、国民の皆様の命と健康を守る。さらに、その上に立って社会経済との両立を図っていく。(中略)この国難とも言える中にあって、内閣総理大臣として私に対しての最大の使命というのは、国民の皆さんお一人お一人が安心して安全で元の暮らしに戻ることのできる、そうした環境をつくり上げる、そのことだというふうに思っている」と述べている。
そして菅首相が新型コロナ対策の次に述べたのがデジタル化だ。首相は「コロナとの闘いを通じて明らかになったことの一つに、行政サービスや民間でのデジタル化の遅れなど、様々な問題が浮き彫りになったと思っている。私の内閣では、規制改革の一丁目一番地としてデジタル化を早急に進めて、経済社会を一変させる、そうした転換期にしたいと思っている」などと「経済社会を一変させる」という表現まで用いて強い思いを表明している。
続いて首相が課題として掲げたのが地方創生だ。「地方の活力なくして、国の活力なし。総務大臣当時から、私はその発想だった」「地方が元気にならなければ、国全体の経済を再生させることはできない。そうした中で、私自身、正に地方創生の切り札として二つを考えており、一つは観光。そして一つは農業の輸出だ」と語っている。
もちろん、防災も外交なども重要な政策課題だが、菅首相は「新型コロナ対策と経済の再生」「デジタル化の推進」「地方創生」を最重要課題として取り組む考えなのだろう。
そしてそれをやり遂げるために、これまでもたびたび言及しているように行政の縦割りや既得権益、悪しき前例主義を打破するというのが、首相の熱い思いに違いない。それが「国民のために働く内閣」になっていくのだろう。
(terracePRESS編集部)