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2022.05.20

それでも補正予算を批判する立憲民主党

政府が先ごろ、歳出総額約2兆7千億円の2022年度補正予算案を閣議決定した。25日から審議が始まる見通し。補正予算案は物価高対策、生活困窮者対策など足元の課題に対応するため不可欠な内容だが、立憲民主党からは相変わらず〝批判のための批判〟も。国民生活の安定を図るには早急な成立が不可欠だ。

 

補正予算案は、政府が4月に策定した「コロナ禍における『原油価格・物価高騰等総合緊急対策』」に基づくもの。緊急対策では物価対策、低所得世帯向けの給付金支給など国費は6兆2千億円、事業規模は13兆2千億円としていた。

緊急対策は、石油元売り会社に支給する補助金の上限を現在の1リットル当たり25円から35円への引き上げのほか、生活困窮者対策として低所得世帯の子供1人当たり5万円の給付金の支給。中小企業対策では、新型コロナ対応の実質無利子・無担保融資の期限を9月末まで延長することなどを盛り込んだ。

 

緊急対策は、その名の通り緊急対策で、すでに22年度予算の予備費のうち1兆5200億円を活用して物価対策などを行っている。予備費を当初予算で確保していたため、緊急的な財政需要に応じることが可能となった。

 

このため、今回の補正予算案の歳出総額は約2兆7千億円にとどまり、6~9月に支給する石油元売り会社への補助金などを含む燃料価格抑制策で1兆1739億円を計上し、経済対策に基づき使用した予備費1兆5200億円を埋め戻す。

予備費の内訳をみると、災害などに備える通常の予備費が4千億円、新型コロナウイルス対策予備費の使途を「原油価格・物価高騰対策」に広げた予備費が1兆1200億円となっている。

 

予備費の補填を目的とした補正予算の編成は異例だが、あらかじめ予測が困難な財政需要に対応するための予備費を確保する意義は大きい。新型コロナにしても、ロシアのウクライナ侵略にしても、予測が難しい事態が発生し、国民生活を直撃している。政府が機動的にこうした事態に対処することは国民にとってプラスでしかない。

 

しかし、そうした状況すら理解できずに、批判する向きもある。立憲民主党の西村幹事長は17日の記者会見で、補正予算案に関し、予備費補填の経費が計上されていることについて「政府に財政の白紙委任を求める内容だ。財政民主主義を否定しており、理解に苦しむ」と批判している。さらに「物価高と戦い、国民生活を守る観点から、補正予算案審議には十分時間を取るべきだ。政府の誤りを正していく」と述べている。

 

どうやら立憲民主党は国民生活を二の次と考えているようだ。国民生活のために財政を緊急に支出することよりも財政民主主義を優先させ、また、緊急に対策が必要な状況の中でも「補正予算案審議には十分時間を取るべきだ」と考えているのだ。

 

まるで批判をするための批判のようにも思えるが、立憲民主党のことだから、心底そう思っているのかもしれない。物価高で生活が脅かされている人もいるのだ。そうした人たちの生活の安定を始め経済社会の安定を優先すると考えるなら、「審議に十分時間を取るべき」などと言えるはずがない。

 

(terracePRESS編集部)

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