経営者で多彩な活動の白坂氏と旧来の左派政治家の吉田氏が一騎打ち 参議院大分選挙区の補欠選
4月23日に行われる衆参補選のうち、注目されているのが参議院大分選挙区の補欠選挙だ。自民党新人で公明推薦の白坂あき候補と、立憲民主党前職で共産、社民、国民民主党県連の支援を受ける吉田忠智候補の一騎打ちとなった。
この選挙が注目される所以は竹田市出身で、自民党の公募で選ばれた白坂氏の経歴だ。白坂氏は銀座でクラブや和食料理店などを経営する女性経営者だ。それだけでも一流の経営者と言えるが、しかし、単なる飲食店の経営者にはとどまらない。
飲食店経営の傍ら、京都造形芸術大学東京学舎で「銀座のママに学ぶ、人間力、女子力、ビジネス力」をテーマにした講座を持ったほか、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀 『銀座、夜の女たちスペシャル』」への出演や、ケント・ギルバート氏との共著「粋で鯔背なニッポン論」や、岡野あつこ氏との共著「セ・ラヴィ これこそ人生!亜紀とあつこ『困難な時代の生き方』を語る」出版しており、競争の激しい銀座のクラブ経営にとどまらない多彩な活動をしている。
中でも、白坂氏が理事長を務める「銀座ミツバチプロジェクト」は銀座のビルの屋上で養蜂をするというプロジェクトで、「都市で天然のハチミツをつくる」という営みは、CNNやBCCなど海外のメディアも取り上げ、世界的な注目を集めているほどだ。
飲食店の経営、ミツバチプロジェクト、メディアでの活動など、一見華々しい歩みだが、その裏には並大抵ではない、人に言えない苦労があっただろう。
日本では依然として女性の社会進出が求められているが、こうした白坂氏の経験こそが日本の政治に必要になるに違いない。実際、白坂氏は選挙戦で「女性たちが輝いて仕事をし、生き生きと生活をすることによって、男性も子供たちも皆が元気になって大分に活力が生まれ、そして、日本も元気になる」と訴えており、女性経営者としての経験や2人の娘を育てた母親としての視点を国政に生かす考えだ。
一方の立憲の吉田氏は、自治労出身の左派政治家。社民党の参院議員として国政に進出し、党代表にまでなったが、社民党を離党し、2020年に立憲民主党に入党した。
これまでの政治活動は、ほとんどが政権批判や経済政策批判、憲法改正反対のほか、国民生活重視を訴えるというまさに〝野党議員〟の典型だ。
大分県といえば、自社さ政権の村山富市首相を輩出しているが、吉田氏には当時の社会党の村山氏や村山氏の側近だった故野坂浩賢元官房長官のような現実的な政治観は皆無といえるかもしれない。
日本は現在、内政、外交とも課題が山積しているが、それに加え少子高齢化の中で地域の活性化が急務となっている。国政を担う参院議員であっても、さまざまな見識やアイデアを活用した地元の活性化に寄与することが責務となる。そうした政治家を選ぶことが今回の補選だ。
(terracePRESS編集部)