何をするのか? 立憲、国民の統一会派
立憲民主党の枝野幸男代表と国民民主党の玉木雄一郎代表が8月20日、衆参両院での統一会派結成で合意したという。当初は、参院選で国民を大きく上回った立憲が衆院だけでの会派合流を提案していたが、国民の玉木氏は衆参両院での会派結成を主張。立憲側が折れた形で、衆参両院での統一会派結成となった。
両党には政策の隔たりがあることは事実で、枝野氏は原発ゼロ法案への賛同も求めたが、玉木氏の「理解と協力」という玉虫色の回答を受け入れたという。結局は、政策の隔たりの調整よりも、「数合わせ」を優先したわけだ。
改めて指摘するまでもないが、立憲民主党と国民民主党は、あの悪夢のような政権運営を行った民主党を源流としている。それが国民に見限られて衆院選で惨敗。野党に転じた後も勢力を回復できず、さまざまドタバタ劇を演じながら2016年3月に民進党に生まれ変わった。
翌2017年9月に小池東京都知事が希望の党を立ち上げると、民進党と希望の党の合流が話し合われ、そのプロセスで小池知事があの有名な〝排除の論理〟を打ち出した結果、それに反発した枝野氏らが立憲民主党を結成した。そして残った民進党と希望の党が合流してできたのが国民民主党だ。
つまり、現在の立憲民主党と国民民主党は、民主党を源流として、民進党という〝かたまり〟を作っていたわけだ。
今回の統一会派結成の合意後、枝野氏は「安倍政権と違うもう一つの選択肢を、国会論戦を通じて訴えていけば、今の政治状況を大きく変えることができると思っている」、玉木氏は「大きな塊としてやれば、『野党がバラバラ』と言われたことは解消する」と語っているが、果たしてそうなのか。
数だけ合わせれば、国民の支持を得られると考えているとすれば大間違いだろう。世論調査をみれば、民進党もスタート時でさえ9%前後の支持率しかなかったのだ。単に、〝先祖返り〟して塊をつくれば国民がもろ手を挙げて賛同するとの考えは甘すぎるし、有権者を馬鹿にしている。
国民が望んでいるのは少子高齢化が進展しているという困難な状況の中で、経済の活性化や社会保障の充実、生活の安定などだ。国民は、野党がバラバラだから支持していないのではなく、国民の〝宿題〟に対する回答も用意せずに、やることと言えば政権批判という体質や姿勢だからなのだ。
(terracePRESS編集部)