自衛隊に対する環境整備は「政治の責任」

安倍首相が先ごろ、防衛大学校の卒業式で訓示し、多くのマスメディアが「安倍首相が改憲に意欲を示した」などと伝えた。もちろん、安倍首相はこの訓示で「改憲」などという言葉は一切使っていない。

 

首相の訓示を紹介しよう。今回の卒業式には1976年に卒業したOBも参列していたこともあり、安倍首相は「皆さんがこの小原台で学んでいた頃、裁判所で自衛隊を憲法違反とする判決が出たことを覚えておられる方も多いかもしれません。当時、自衛隊に対する視線はいまだ厳しいものがあった。皆さんも、心ない批判にさらされたかもしれません」と指摘。「しかし、皆さんは、歯を食いしばり、昭和から平成へと時代が変わる中、厳しさを増す安全保障環境に立ち向かい、数々の困難な現場にあって、国民の命と平和な暮らしを守り抜いてくれました。阪神・淡路大震災で懸命な救命救助に当たる自衛隊員の姿は、今も、多くの国民の瞼に焼き付いています」と述べている。

 

その上で「今や、自衛隊は、国民の9割から信頼を勝ち得ています。先人たちがたゆまぬ努力によって築き上げてきたこの成果を受け継ぐ卒業生諸君は、静かな誇りを持ちながら、更なる高みを目指して、それぞれの自衛官人生を歩んでほしいと思います。政治も、その責任をしっかりと果たさなければならない。次は、私たちが、自衛隊の諸君が強い誇りをもって職務を全うできるよう環境を整えるため、全力を尽くす決意です」と強調した。

 

この「政治の責任」というのが改憲、すなわち憲法9条への自衛隊の明記への意欲だというのなら、それはそうなのだろう。

事実として、安倍首相が述べたように、裁判で自衛隊が憲法違反とされた状況は、今でも変わっていないのだ。自衛隊が強い誇りをもって職務を全うできるような環境を整えるのは「政治の責任」であることはもちろん、「国民の責任」でもあるのだ。

 

ところが、国会ではこうした「政治の責任」「国民の責任」からかけ離れた、相変わらず低次元の〝論争〟をする野党議員もいる。

 

2月13日の衆院予算委員会で立憲民主党の本多平直議員が、あたかも首相が憲法改正の必要性についての理由として、安倍首相が「お父さん、憲法違反なのと言われて、自衛官の子息が涙を浮かべていたと」というエピソードを紹介していることに対し、「本当か」と問いただした。

自衛隊に反対している日教組の教員が学校で「自衛隊は憲法違反」と児童や生徒に教えるということは現実味のある話だが、本多議員は「私は、小学校、中学校と、ずっと自衛隊の駐屯地のそばで育ちまして、たくさん自衛官の息子さんがいて、こんな話が出たことがないんですよ」と主張した。自分の身の回りの体験だけで首相の発言を、まるで嘘かのように質問し、なんとか揚げ足を取ろうとする野党議員のお粗末さにはあきれ返るほかない。

このような野党議員は、首相の防衛大の訓示を読み、今一度、自衛隊の置かれた環境について学ぶべきではないだろう。

 

(terracePRESS編集部)