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2022.08.10

「辺野古反対」は中国にどのようなメッセージになるか

沖縄県知事選が25日に告示され、9月11日に投開票される。現在のところ、現職の玉城デニー知事、元衆院議員の下地幹郎氏、元宜野湾市長の佐喜真淳氏が出馬予定。このうち玉城知事は、米軍普天間飛行場の辺野古移設反対を訴えるが、中国の軍事的な拡張の影響をまともに受ける沖縄で、在日米軍の弱体化を促進する訴えは、中国に対しどのようなメッセージとなるのか。

 

中国は先ごろ、台湾近海などでの軍事演習を行い、発射された弾道ミサイルのうち5発が、沖縄県・波照間島の南西の日本のEEZ内に落下している。

さらにEEZ外にも1発が落下しているが、こちらは与那国島から約80キロしか離れていなかった。

 

日本の領土からたった80キロの距離にミサイルを撃ち込み、それに対して抗議した日本に対して反論する国が、まさに専制主義国である中国の本質なのだろう。

 

中国は現在、世界第2位の経済力を背景に、急激に軍事力を増強させ、南シナ海の南沙諸島で国際法に反しながら軍事拠点を設営しているほか、今回の軍事演習のように台湾海峡での緊張を高めたり、海軍の所属である海警局の公船がたびたび尖閣諸島周辺の日本の領海に侵入したりしている。

 

こうした中国の覇権主義的な活動に対して、日本は日米同盟を基軸とした抑止力で安全を確保するというのが戦略だ。

日本の独力では当然、中国への抑止力とはなり得ないし、米国も日本の協力がなければアジアの平和を維持できないと判断している。

 

そうした緊張状況の中で今回の知事選は行われるわけだが、辺野古での米軍普天間飛行場の代替施設建設に反対を唱えるオール沖縄に支援される玉城デニー知事は当然、選挙戦で辺野古の代替施設反対を訴えるだろう。

 

市街地のど真ん中にあり、世界一危険とされる普天間飛行場の機能はグアムや日本国内の米軍基地に移設され、規模を大幅に縮小した辺野古の代替施設ではオスプレイなどが運用され、滑走路の延長も3分の2程度になる。

これが実現すれば普天間飛行場の返還が現実のものとなるのだが、玉城知事はそれに反対するというわけだ。

 

今回の中国の軍事演習について、中国軍の幹部が沖縄や在日米軍なども対象にしているとの見方を示したと伝えられている。そうした中で、選挙戦で現職知事が辺野古移設反対を主張すれば、それは中国に対してどのようなメッセージとなるだろうか。

 

少なくとも日本政府、米国政府が進めている安全保障戦略に、沖縄のトップが真っ向から反対していると解釈されるだろう。それだけで、日本の安全保障に綻びが生じ、沖縄の人々の安全の確保にも支障がでかねない。

 

誤ったメッセージは、誤った行動を誘発しかねない。アジアの緊張が高まっている中で、中国の誤った行動を誘発するようなメッセージの発信は、政治家が最も避けなければならないことだ。

 

(terracePRESS編集部)

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