異常なメディア、不幸な日本の現実
第2次岸田改造内閣が8月10日、発足した。ところが発足直後から民放テレビや新聞は閣僚と旧統一教会(世界平和統一家庭連合)との関係しか関心を示さない異常な状況だ。そこには「日本の社会をどうするのか」といった大局観を垣間見ることすらできない。
日本は現在、少子高齢化が進み、デジタル化が遅れ、今後の経済成長のエンジンを作り出すことが課題となっている。
同時に、国際社会は緊張が高まり、アジア地域でも中国という、自由で民主主義社会という日本とは基本的な価値観が異なる中国が世界第2位の経済大国として、軍事力を急速に拡大させている。
まさに日本は岐路に立っている。今後も日本が平和で豊かな社会を維持するためには、今、何をすべきか冷静に議論することが不可欠なのだ。
岸田政権はその方向として「新しい資本主義」を掲げ、その基本的な考え方に沿って政策を展開している。
ところが、今の民放テレビなどをみると旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の話題ばかり。メディアは、さもこの問題を論じることが正義のような振る舞いをしているが、そうではない。
確かに、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)は一部には問題がある組織かもしれないが、会合であいさつした、系列のメディアに寄稿したなど社会の大問題とは言えない。
日本にとって今必要な正義は、平和で安定的な成長ができる豊かな社会を形成し、それを次世代や次々世代に引き継いでいくことだ。これこそが正義だ。
そこを理解できないのがメディアの実態だ。
安倍元首相の国葬についてもそうだ。各メディアの世論調査で内閣支持率が低下している要因の1つが国葬だとされているが、なぜ国葬が認められないのか、反対すべきなのかという点については、ほとんど論じられていない。
そこには善悪、正義不正義、白と黒といった二者択一しかなく、そこに至る論拠は示されないのだ。
結局、メディアにとっては日本の未来などどうでもいいのだろう。そのメディアが垂れ流す情報によって日本は〝ゆでガエル〟のような状況に陥っている。日本社会にとって不可欠な議論が行われないまま時間だけが経過し、気が付いたときには日本は完全に没落してしまう。
今がその岐路になっているという事実さえ分からないまま、不幸な社会で生きていかなければならなくなるだろう。もしかしたら、日本国民の生命、財産でさえ脅かされるのだ。
真に国民に取って必要な情報を知らせないメディアというのは、太平洋戦争に国民を駆り立てたメディアと同じだ。そんなメディアがはびこる日本は不幸と言うほかはない。
(terracePRESS編集部)