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CATEGORY政治

2022.01.14

理想論で平和が保たれると思う朝日新聞の愚

日米両国は先ごろ、日米安全保障協議委員会(日米「2+2」)をテレビ会議形式で開き、日米両国が「同盟を絶えず現代化し、共同の能力を強化する」決意を表明した。これに対し朝日新聞は社説で「粘り強い対話の努力を忘れず、共存をめざす姿勢を明確にすべき」などと日米同盟の深化を批判。相変わらずのお花畑的な平和論を展開している。

 

今回の2+2は台湾海峡の緊張が高まる中で行われた。このため、共同声明では「閣僚は、ルールに基づく秩序を損なう中国による現在進行中の取組は、地域及び世界に対する政治的、経済的、軍事的及び技術的な課題を提起するものであるとの懸念を表明した。閣僚は、地域における安定を損なう行動を抑止し、必要であれば対処するために協力することを決意した」としている。

 

その一方で「閣僚は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調し、両岸問題の平和的解決を促した」と明記し、当然のことながら平和的な解決を図ることを求めている。

 

ところが朝日新聞は8日付け朝刊の社説「日米2+2 備えの先 共存の道探れ」で「軍事偏重ではかえって緊張を高め、不測の事態を招く可能性も否定できない。粘り強い対話の努力を忘れず、共存をめざす姿勢を明確にすべきだ」と指摘、あたかも軍事能力一辺倒で、他の外交努力をしていないかのような批判を展開している。

 

日中、米中の対話も必要だし、日米だけでなく、英国やフランス、オーストラリアなど各国が国際的に協調することで中国にメッセージも発している。台湾問題ではないが新疆ウイグル自治区の人権問題をめぐり各国が北京五輪で外交的ボイコットをしたのもそうしたメッセージだ。

 

そうしたさまざまな取り組みを一切無視して、対話だけで平和が保たれるというのが朝日新聞の考えなのだろう。

 

しかし朝日新聞自身、社説で「抑止力は、お互いの能力と意図に対する正確な理解や一定の信頼関係があって、初めて機能することを思い起こすべきだ。そのために必要な意思疎通が、中国との間で十分なされているようにはみえない」と書いているが、能力を十分に備えることが抑止力の重要な要素だ。

 

どんなに対話を求めても、能力がなければ、対話すらできないかもしれない。それが冷徹な国際関係なのだ。

 

中国の軍事的な拡張をめぐって問われるのは、日米両国や国際的な協調によって抑止力を高めることの是非ではない。アジアの平和や安定、民主主義的価値観や法の支配といった国際的ルール、ひいては日本人の生命・財産、日本の領土、領海、領空をどう守るかということだ。

 

「お話し合いをしなさい」という朝日新聞の主張のような単純な思考だけで実現できるものでは決してない。国際社会の現実から遊離した主張は、何も言っていないのに等しい。

 

(terracePRESS編集部)

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