128人の新型コロナ患者を受け入れた自衛隊病院

WHO(世界保健機関)が「パンデミック(世界的大流行)」を表現した新型コロナウイルス感染症をめぐっては、他国では医療崩壊の懸念があるという。未知のウイルスに対処するためには、医療をどのように確保するかが重要だが、医療崩壊を起こす可能性を否定できないPCR検査の拡大を求める声も依然としてある。

 

河野防衛相がブログで、その点について分かりやすく解説している。

防衛相によると、自衛隊の病院では、これまでに感染者128人を受け入れて、3月12日までに、116人が退院、2人が転院し、10人が入院中という。

 

自衛隊病院が128人も受け入れたことは世間にはほとんど知られておらず、ネットでも「自衛隊病院が受け入れというニュースは見た。でもその後は何の報道もなかった。何でと思っていた」「自衛隊病院ってこういった場でも活躍されるんですね。退院できた方、おめでとう!」などの声も上がっている。

 

では、その河野氏の解説をみてみよう。

河野氏はブログで「自衛隊中央病院では、感染症のための病床が10床あります。この10床がいっぱいになると、次の病棟の約50床を感染症用に割り当て、さらにその次の50床というように拡大していきます」

 

「新型コロナウイルスは、PCR検査で感染が確認されると、軽症でも、無症状でも入院し、隔離されることになります。一般の病院では、通常、病床の8割から9割は様々な診療科の入院患者で塞がっています。しかし、新型コロナウイルスの陽性患者が増え、入院する患者が増えれば、他の診療科の入院患者を受け入れることができなくなります。また、医師、看護師も感染症病棟にとられ、他の診療科に手が回らなくなります」

-などと説明している。

 

自衛隊中央病院も、こうした状況に対応するため、医師(医官)や看護師(看護官)について他の自衛隊病院から支援を受けたほか、医師、看護師の資格を持つ予備自衛官を招集し、一般患者の診療に従事してもらったという。

 

こうした現実に即し、経験に基づいた解説を読めば、いかに医療体制を維持するかが理解できる。

 

河野氏はその上で「新型コロナウイルスは、インフルエンザと同じように、治療のための特効薬はありません。いかに限られた病床を重症、重篤な患者に割り当てるかが、この新型コロナウイルスの影響を最小化するための鍵を握ります。PCR検査を増やせば、軽症の感染者で病床が埋まります。その結果、重症、重篤な感染者、そして他の診療科の患者の病床が制約されます」と述べている。

 

新型コロナウイルス対策の目的は、国民の命を守ることだ。そして同時に、他の病気に罹患している人の命も守らなければならない。

 

河野氏は「PCR検査を増やすのがよいのか、あるいは無症状、軽症の感染者を入院させず、自宅療養にするのか、あるいはホテルなどの宿泊施設である程度様子を見ながら隔離するのか、自衛隊病院も厚労省などと連携しながら対応していきます」と結んでいる。

 

(terracePRESS編集部)