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実態伝わらない辺野古移設

米軍普天間基地の代替施設である名護市辺野古の飛行場建設に対する国民の意見が割れている。割れているのが事実かどうかは別として、少なくともメディアの調査では割れている状況だ。

 

共同通信の調査によると、辺野古移設について政府方針を支持しないとしたのが44.3%で、支持が40.3%となった。不支持が支持を4ポイント上回ったが、確かに割れているのだろう。

ちなみに、この調査を取り上げた沖縄タイムスは「移設不支持が多数 辺野古の海後世に残せ」との社説を掲載している。4ポイントとは言え、不支持が支持を上回ったのは事実だが、あえて〝不支持が多数〟と書くまでの差ではないだろう。こんなところに反対一辺倒の、少なくとも公正でも中立でもないスタンスが表れている。

 

それは措くとして、毎日新聞は3日付け朝刊に世論調査結果を掲載。それでは、辺野古移設に反対する人が42%、賛成が33%、無回答が25%となり「国民の意見は割れているのが現状だ」と指摘している。

 

辺野古移設の重要性を理解している人は多数いるが、それでも意見が割れてしまうのは、政府のPR不足だろう。

 

そもそも米軍普天間飛行場は、住宅密集地の中にあり、近隣住民は常に危険と隣り合わせの生活を余儀なくされている。人命に関わりかねない問題で、これが普天間の返還を最重要課題としなければならない理由だ。

 

その移設先が名護市辺野古にある米軍キャンプシュワブの沖合の埋め立てというわけだが、これまでの長年の経緯で、他に候補地が見つからなかったのである。

しかし、単に、普天間飛行場を辺野古に移設するのかと言えば、そうではない。普天間飛行場の面積は約481ヘクタールだが、辺野古の代替移設は約160ヘクタールと約3分の1以下の広さに縮小される。滑走路も普天間飛行場は2,740メートルだが、辺野古では約1,200メートル(オーバーランを含めても約1,800メートル)と大幅に短縮される。

 

また、滑走路はV字型に2本設置されることになるが、これは、離陸、着陸のいずれも経路が海上になるようにするためのものだ。普天間飛行場では訓練などで日常的に使用される飛行経路は市街地上空だが、辺野古では海上へと変更されることになる。

このため、普天間飛行場では住宅防音が必要となる地域に1万数千世帯あるが、辺野古ではゼロとなるのだ。

 

部隊の運用も沖縄の負担軽減を図るように計画されている。普天間飛行場は①オスプレイなどの運用機能②空中給油機の運用機能③緊急時に航空機を受け入れる基地機能という3つの機能を持っているが、辺野古に移されるのは①の「オスプレイなどの運用機能」だけ。「空中給油機の運用機能」についてはすでに空中給油機の15機全機の岩国飛行場(山口県岩国市)への移駐が終わっている。

さらに③の「緊急時に航空機を受け入れ」も築城基地、新田原基地へ移転する計画となっている。

 

いずれにしても、こうした背景や現状を知れば、普天間飛行場の移設に反対する人も理解を深めるだろう。その点の情報発信が不足していたことは否めないのかもしれない。

 

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