安保条約廃棄と呼びかける共産党と共闘するのか?
日本共産党が、自党のホームページで「日米安保やめません?」と題したWebマガジンを掲載している。日米安保条約について「もうこれ、廃棄をしよう!と共産党は主張しています」と訴えている。次期衆院選で野党は共闘するのだろうが、政権選択でもある衆院選で、立憲民主党や国民民主党は、こうした主張をしている共産党となぜ協力できるというのだろうか。
同Webマガジンでは、アニメを使ってソフトな分かりやすさを強調しながら、防衛装備の購入や原発の設置、米軍基地の設置、改憲などすべてにおいて日本が米国のいいなりになっており、それというのも日米安保条約があるからと結論づけている。
そして、共産党は「反米主義者か!?」との問いに、笑いを取ろうとしたのかどうかは知らないが、「いいえ。実は共産党、アメリカ国務省だって訪問(2010年)しているんです」と回答。米国務省を訪問すれば反米主義者ではないとの奇天烈な論理を展開している。
その上で安保条約を廃棄して、「日本とアメリカで対等平等の友好的な関係を結ぼうと提案している」と主張している。
立憲民主党も国民民主党も、日米関係について現状とは異なる〝さらなる深化〟の必要性は認めるかもしれないが、日米安保の破棄は想定していないし、実際、主張もしていない。要するに、日米安保という日本の政治の重要な政策で、まったくスタンスが異なるのだ。
そうしたスタンスの大きな違いがありながら、なぜ次期総選挙で共闘ができるのか。
日米安保を破棄すべきと思いながら、日米安保を容認している政党と共闘するのなら、有権者をだますことにもなる。換言すれば、立憲や国民も、共産党と共闘するということは、有権者をバカにするのと一緒だ。
驚くべきことに、Webマガジンで共産党は「アジアの国々と平和のための安全保障」を作るなどと述べている。「平和のための安全保障」などと聞こえはいいが、実は国民の生命、財産を守る安全保障をどう確保するかということは、まったく考えていないに等しいのだ。
アジアのパワーバランスが変わる中、中国は急速に軍事力を拡大している。日米安保がなければ、日本は中国の軍事的な影響力を排除できず、ひいては経済的にも、文化的にも中国の影響下に置かれる可能性があるといったことは思いもよらないのだろう。否、そうした国にするために、日米安保の廃棄を唱えているのだろう。
国民の味方のような立場を取りながら、日本を〝丸腰〟にするのが共産党の狙いなのだろう。政府は11日の閣議で、共産党は「破壊活動防止法(破防法)に基づく調査対象団体だ」とする答弁書を決定した。共産党が破防法に抵触する活動をしているかどうかは知らないが、日本を弱体化するための活動を日夜していることは確かだ。
(terracePRESS編集部)