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すでに瓦解した野党連立政権構想

立憲民主党、日本共産党、国民民主党など野党が連携して政権を構築する〝野党連立政権構想〟が早くも瓦解した。立憲民主党の枝野氏が共産党との連立政権を否定したためだ。民主主義を否定する共産党と連立を組まないと明言するのは当然だ。しかし、それでも次期衆院選での候補者の一本化といった選挙協力などは進めるという。これはまさに有権者を愚弄する行為だ。

 

枝野氏が共産党との連立を否定したのは、最大の支持母体である「連合」の幹部会でのことだ。そこで枝野氏は「理念に違う部分があり、(共産党との)連立政権は考えていない」「共通する政策でのパーシャル(部分的)な連携や(衆院選の)候補者一本化に努力したい」などと述べた。

 

枝野氏は、立憲民主党と共産党の理念がどのように違うのかは明示していないが、そもそも共産党は綱領で、「民主連合政府」と称する野党連立政権で「日米安保の廃棄」「自衛隊の解消」を目指すほか、天皇制についても「天皇の制度は憲法上の制度であり、その存廃は、将来、情勢が熟したときに、国民の総意によって解決されるべきものである」などと謳い、廃止の方向性をにじませている。

 

さらに共産党は、その連立政権の先で「社会主義・共産主義の社会への前進をはかる社会主義的変革」を行うとし、ここでは「主要な生産手段の所有・管理・運営を社会の手に移す生産手段の社会化」を行うというのだ。生産手段の私有を認めない社会にはもはや自由も民主制もない。

そんな非民主勢力である共産党と連立政権を組むことを否定するのは当然だ。その点については枝野氏の共産党との連立政権の否定は正しい判断だ。

 

しかし、それでも枝野氏は「共通する政策でのパーシャル(部分的)な連携や(衆院選の)候補者一本化に努力したい」などと述べ、共産党との協力を推進する考えを示している。枝野氏がどのような意味で「パーシャルな連携」と述べたかどうかは分からないが、内閣には入らなくとも、共産党が閣外で協力するということは充分あり得る。

 

そして共産党の志位委員長は、枝野氏が連立を否定した直後の記者会見で「閣内であれ閣外あれ、政権で協力するということになった場合には、当然、前提となる基本的な政策の合意が必要になる。私たちは何度も言っているが、野党共闘の一丁目一番地は憲法違反の安保法制の廃止だ。それを土台にしながら、大まかな方向での合意は当然必要になってくる」と述べている。

 

綱領にもあるように、共産党は「民主連合政府」を作り、そこで日米安保を廃棄し、自衛隊を解消することを目指している政党で、現在は、安保法制を廃止するために野党共闘を目指しているというわけだ。

 

枝野氏は共産党との連立政権は否定したが、「パーシャルな連携」「選挙協力」は進めるという。枝野氏は「理念が違う」などと言ったが、その理念が違う政党と、政権選択となる次期衆院選でなぜ選挙協力できるのか。

これは連立政権という構想からの「共産党隠し」に過ぎず、有権者への愚弄ではないのだろうか。

(terracePRESS編集部)

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