プロパガンダに頼る共産・小池氏
東京株式市場は大発会を迎えた1月4日、日経平均株価の終値が、前年末比452円81銭安の1万9561円96銭となった。大発会としては2016年以来、3年ぶりの下げ幅となった。
東証を巡っては昨年12月25日も世界経済の鈍化への警戒などから売り注文が広がり、終値は1万9155円74銭と2万円を割り込み、1年8カ月ぶりの安値となっていた。
4日の東証は、米IT大手アップルが中国での販売不振を主因に業績予想を下方修正した「アップルショック」の直撃。3日の米ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均が前日比660ドルも下落したことが影響したとされている。
経済のグローバル化で、当然のことながら株式市場は国内だけでなく、海外の動向に左右される。昨年12月25日も、1月4日の東証の下落は、この海外要因だ。しかし、日本の政界には、この当たり前のメカニズムを理解できない、または、あえて無視して政権批判に活用する政治家もいる。その一人が日本共産党の小池書記局長だ。
小池氏は昨年12月25日の記者会見で、東証の大幅下落について聞かれ「(来年度予算案の)経済対策がまったく期待されていないことだと思う。(中略)実体経済の好調という裏付けのない、まあ、架空の、砂上の楼閣のような株式相場だったということが、外国で株価が下がると急落するという事態に現れるんだと思う」と述べている。
小池氏は一応、海外で株価が下がると、国内株価に影響するという認識は持っているようだ。しかし、その認識を持ちながらも、下落の要因を、来年度予算案の経済対策に期待が集まっていないという論理のすり替えをするところが、あまりに意図的なプロパガンダだ。
そして、小池氏はこれに飽き足らず「まあ、アベノミクスがうまくいっているという唯一の根拠が株価だと思う。で、その株価が、やっぱりこういう悪化の兆しを示しているということは、アベノミクス全体に対する国民の不満、不安が広がることになるのではないか」とも語っている。
小池氏は臆面もなく株価の下落で「アベノミクス全体に対する国民の不満、不安が広がる」などと述べているが、株価は12月27日には昨年最大の上げ幅を示し2万0077円62銭となっているのだ。
小池氏は当然のことながら、この上げ幅について、国民にアベノミクスへの期待が広がると解釈しているはずだ。
そもそも、小池氏はアベノミクスの唯一の成果が「株価」と指摘しているが、例えば完全失業率は2018年11月で2.5%だ。2.5%の失業率こそ、経済政策の成果と言うべきだ。
もっとも、共産党がよって立つ社会主義経済では、論理的には失業率はゼロになると考えられている。小池氏が2.5%の失業率をさえ評価しないということは、やはり、すでに失敗が証明されている社会主義の信奉者だからに違いない。それを信じ込まされる有権者こそ迷惑だ。