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中露の軍事活動は日本を威嚇する異常事態

中国、ロシア両国が日本への軍事的な威圧活動を活発化させている。爆撃機などの共同飛行や両国艦艇が日本海域の周回を行うなど、日本の安全保障環境が厳しくなる異常事態だ。政府は防衛力の強化など抑止力の向上を図る考えだが、国民一人一人が日本の安全が脅かされつつあるという認識を持たなければならない。

 

中露両国は最近、日本への軍事的な威圧活動を強めている。10月には中国海軍とロシア海軍の艦艇合わせて10隻が日本海から津軽海峡を通過して太平洋に進出、その後、千葉県の犬吠埼沖、高知県の足摺岬沖、鹿児島県の大隅海峡を通過し、東シナ海に到達し、日本本土をほぼ一周した。

 

両国海軍は、伊豆諸島周辺や東シナ海で艦載ヘリコプターを発着艦させており、これに対し航空自衛隊は戦闘機を緊急発進(スクランブル)させている。

 

両国の軍事的威圧はこれだけではない。11月19日には、中露両空軍の爆撃機各2機の計4機が日本海から東シナ海を南下し、太平洋へ抜けた後、再び東シナ海へ向かうという行動を行った。

4機による領空侵犯はなかったが、防空識別圏に入ったため、航空自衛隊の戦闘機が緊急発進して対応している。

 

両軍機による日本周辺空域の共同飛行は2019年7月、2020年12月に続き3回目だが、両国艦艇が日本一周をした直後に行われたことは注目すべきだ。

 

こうした中露両国の動きの意図は定かではない。しかし、日本は米国、オーストラリア、インドの4カ国で「自由で開かれたインド太平洋」を実現するため協調体制(クアッド)を構築し、取り組みを始めている。英国やドイツ、フランスもインド太平洋に艦艇を派遣するなどコミットメントしている。

 

この「自由で開かれたインド太平洋」は日本がリーダーシップをとって動きだしたもので、中露両国の軍事的な威圧は、こうした取り組みを進める日本やオーストラリア、米国などをけん制する意図があったことは間違いないだろう。

 

岸防衛相は、中露空軍機の共同飛行について「わが国に対する示威行動を意図したと考えられる」と述べた上で、「強大な軍事力を保有する両国の共同軍事行動は各国の懸念を高める。安全保障環境が一層厳しさを増している。防衛力を大幅に強化するため、あらゆる努力を行う」と語っている。

 

また、林外相は25日のロシアのラブロフ外相との電話会談で、中露の共同飛行などロシアが日本周辺で軍事活動を活発化させていることについて「重大な懸念」を伝えている。

 

こうした状況をみれば日本の安全保障の環境が厳しさを増していることは事実だが、それが国民に認識されているかというと、とたんに怪しくなる。そればかりか、メディアの中には防衛力の増強に懸念を示す論調もある。日本の安全を守るためには、国民が防衛力などについて正しい認識を持つことこそ必要だ。

 

(terracePRESS編集部)

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