オワコンの小沢氏に頼る国民民主の情けなさ
「オワコン」という言葉がある。インターネットなどで使われる言葉で、最近は若者も普通に使うようになっている。意味は、一時は流行っていたが、現在は一般ユーザー、個人ユーザーに飽きられてしまい、見捨てられてブームが去り、流行遅れになった漫画やアニメ、商品・サービスのことだ。終わってしまったコンテンツだから「オワコン」だ。
どんな世界にも飽きられて終わってしまったものはある。政界ではまさに小沢一郎氏がそうだろう。政界のオワコンだ。
しかし、そのオワコンに頼る政党があるというのだから、驚きだ。国民民主が自由党と統一会派を作るという。1月28日には、国民民主党の玉木代表と自由党の小沢代表がそろって街頭演説まで行い、そこで玉木氏は統一会派結成に関し「第1章では終わらない。『国民の生活が第一』の政治をつくるため、力を合わせて頑張っていく」と小沢氏がかつて率いた政党名を用いてアピールしたという。
第一章が始まってもいないのに、「終わらない」も何もないが、国民民主としては党勢拡大が難しい、つまり現状では国民の信頼を得られないから、オワコンと言えども小沢氏と組めば、何かやってくれるとの期待しかないないのだろう。
しかし、小沢氏の賞味期限は2012年7月の民主党離党とともに切れている。その後は、玉木氏が引き合いに出した「国民の生活が第一」を結成したが、それもうまくいかず、結局「日本未来の党」「生活の党」「生活の党と山本太郎となかまたち」「自由党」と政党名だけを変えて、細々と政界で生きているだけだ。
絶頂期を2009年の民主党政権誕生前後と考えれば、もう10年間は下り坂。まさにオワコンなのだ。
また、驚くべきことに、オワコンと言えば、国民民主と小沢氏の統一会派結成を横目で見ていた立憲民主が、こちらも間違いなくオワコンの社民党と参議院で統一会派を結成するという。
そして小沢氏はテレビの取材に対し「枝野氏は『数合わせはしない』と言っていたが、参院が(野党第1会派に)足りなくなりそうなので社民と一緒になった」と、立憲民主と社民の動きを批判している。
国民民主、立憲民主とも、それぞれがオワコンの利用、それぞれが選挙目当ての数合わせであることは間違いないのに、それをまた批判するとは、何が何だか分からないというのが国民の本音ではないか。
政策不在、選挙シフトで選挙に臨むとは、あまりにも国民を馬鹿にしているだろう。