ウクライナ国民が聞いたら怒る共産党の主張
ロシアのウクライナ侵略については、ロシアの戦争犯罪が明確になっている。日本はG7各国と協調しながらロシアへの制裁強化やウクライナ支援を進め、ロシアに侵略戦争の停止を求めている。これが現実の国際社会なのだが、共産党はそうした事実に目をつぶり、「平和」「平和」と口にすれば平和を守れると考えているようだ。
共産党の小池書記局長は先ごろ、「ロシアは侵略をやめろウクライナから撤退を!0408日比谷集会」と銘打った集会に登壇し、「ロシアは侵略を止めろ」と声を張り上げた。
共産党は現実社会を見ずに、リアリティーのかけらもないことを主張する政党だが、この小池氏の演説もまさに噴飯物。ウクライナ国民が耳にしたら怒り、そして情けなさに天を仰ぐだろう。そう思わせる演説だ。
小池氏は「子どもたちが、女性たちが、高齢者が、無辜の市民が次々殺されている。絶対に許すことはできない。ロシアは侵略をやめろ、ウクライナから撤退を。この声を大きく上げていこうではありませんか」と参加者に呼びかけた。
それはそうだ。一方的に他国に侵略し、他国の領土を蹂躙し、主権を踏みにじったのはロシアだ。抗議されるのは当然だし、国際世論で糾弾されるべきものだ。
小池氏はさらに、ロシアの侵略を「主権の尊重、領土の保全、武力行使の禁止を定めた国連憲章違反の侵略に他ならない」と断じたが、それも正論だ。だからこそ一刻も早い停戦と完全な撤退が求められる。
では、どのようにロシアの侵略を止めるか。今まさに、ウクライナの抵抗はもちろん、西側諸国が連携して模索しているところだ。
この点について、小池氏はこう語っている。「どうやってこの侵略を止めるか。国連総会で2度にわたる決議があがりました。193の加盟国のうち140カ国以上が、圧倒的な世界の世論が今、ロシアを包囲している。一緒に声を上げ、侵略者の手を縛ろうではありませんか。」こう語ったのだ。
しかし、小池氏の主張はこれだけだ。ロシアへの制裁の必要性も、ウクライナへの支援も口にしない。
そればかりか、小池氏は「軍事に対して軍事で対抗していく、こんなことをしていけば、破局的な戦争になる。そのことを示しているのが今のウクライナの事態だ」と声を張り上げた。
侵略するロシア軍に対し、ウクライナの領土、国民の生命、財産を守るためにウクライナ政府や国民が必死に闘っているのにも関わらず「軍事に対して軍事で対抗していく、こんなことをしていけば、破局的な戦争になる」と切り捨てたのだ。
「戦争止めろ」と声を上げれば、侵略者が侵略行為をやめると考えているのなら、それは政治家としてあまりにもお粗末というものだ。
小池書記長がそうなら、志位委員長は党本部での会合で、ウクライナ情勢を踏まえ、「急迫不正の主権侵害が起こった場合には、自衛隊を含めてあらゆる手段を行使して、国民の命と日本の主権を守りぬくのが党の立場だ」と述べたという。
しかし、共産党は「自衛隊は憲法違反」としており、党の綱領では、自衛隊について「国民の合意での憲法第9条の完全実施(自衛隊の解消)に向かっての前進をはかる」と明記している政党だ。これまでの主張などなかったかのように、自衛隊による防衛という。
国際情勢、国際政治を理解しないばかりか、日本が侵略されるような事態になったら自衛隊による防衛を突然口にする。共産党はそんな政党なのだ。
(terracePRESS編集部)