岡田幹事長を起用するという立憲の人材難
立憲民主党が参院選の敗北を受けた執行部人事で、民主党政権時代に重要な役割を占めた岡田克也氏を幹事長に起用する方向で検討しているという。急速に存在感を失っている立憲民主だが、態勢の立て直しに民主党政権を支えた岡田氏を起用するというわけだから開いた口がふさがらない。もはや立憲民主党には人材もいないのだろう。
立憲民主党は2021年の衆院選で14議席を減らし、参院選では6議席減らしている。衆院選の敗北については、立憲民主党自身が共産党との連携が選挙に影響を与えたと総括しており、そのため民主党政権で官房長官なども務めた枝野前代表は辞任した。
いうまでもなく民主党政権は国民生活を破壊した政権と言っても過言ではない。そもそもガソリン税の廃止を打ちだしたかと言えば撤回し、「コンクリートから人へ」のスローガンに基づいた公共事業、中でもダム事業などの中止を決行した。
2020年の熊本豪雨では、川辺川ダムの建設を中止した球磨川で大きな被害が出たことを忘れてはならない。
また、国家予算の見直しを掲げた事業仕分けなるものを実施したものの、ほとんど新たな財源を作り出すことができず、看板倒れに終わった。
民主党政権は、そんな〝悪夢の政権〟だったのだ。
その政権を担った岡田氏が幹事長になるというのだから、立憲にはもはや夢も希望もないのだろう。
民主党政権の悪夢と言えば、沖縄県の米軍普天間飛行場の移設問題だろう。政権を担う前から鳩山代表が移転先について「最低でも県外」と訴え、政権を担っても県外移設で迷走した。
現在の沖縄県内の分裂は、この民主党政権の対応に端を発しているのだ。当時の鳩山首相はオバマ米大統領に「トラストミー」とまで堂々と言ったのに、結局はその民主党政権が辺野古移設を決めたのだ。
2009年の民主党政権発足直前は、岡田氏は幹事長だったし、政権スタート後は外相という重責を担っている。その後は副総理までやっている。いずれにしても、岡田氏は民主党政権の失敗に深く関与したのだ。
その岡田氏が幹事長に起用されるというのだから、立憲民主党は人材がいないのだろう。
立憲民主党は、批判政党として政権批判に血道を上げ、それが国民に受け入れられないとみるや、泉代表が政策提案型政党を標榜したが、やはり国民の評価を得ることはできていない。
西村幹事長を交代させてベテランの力量を借りて党の立て直しを図ろうということだろうが、そうだとしたら、泉代表の党改革の薄っぺらさが露呈するだろうし、そんな小手先の改革では党勢は回復できない。
国民は立憲民主党に政権獲得能力がないことを見透かしているのだ。
(terracePRESS編集部)