都の水道無償化、横取りしたい共産党の厚顔無恥

東京都が今夏の4カ月間、猛暑対策として一般家庭向けの水道の基本料金を無償化するという。小池百合子都知事が、「知事与党」とされる自民党、都民ファーストの会、公明党の3会派の要望を受けて実現したものだ。ところが驚くなかれ、日本共産党が「共産党都議団が提案すると、都政が動く」などと自分たちの手柄のように懸命に〝宣伝〟している。まさに無責任野党の面目躍如、といったところだ。
基本料金の無償化は、都内768万世帯のほとんどが対象で、各世帯の検針時期により6~9月または7~10月となる。一般家庭の水道基本料金は口径に応じて1カ月860~1460円(税別)となっており、4カ月で1世帯当たり総額5000円前後の料金が軽減されることになる。今夏も猛暑が予想されているが、水道料金を軽減して、エアコンの利用を促すのが無償化の狙いだ。
自民党、都民ファーストの会、公明党の3会派は5月19日、「暑さ対策に関する緊急要望」として、「一般家庭向け基本料金の無償化」「東京都水道の区域外となる市町村でも実施できるよう支援を図る」の2点を申し入れたが、小池知事がこの要望を全面的に受け入れたわけだ。
これに対し共産党都議らがXで「日本共産党都議団は水道料金値下げを繰り返し求めてきた」「日本共産党都議団が提案すると、都政が動く!」などとポストしたほか、共産党系のニュースサイト「東京民報」は「日本共産党都議団は、4月にまとめた『暮らしを守る緊急要求』の5項目の一つに、水道料金の10%値下げを盛り込むなど、一貫して水道料金の引き下げを求めてきた」などと報じている。
しかし、4月の「緊急要求」は、「深刻な物価高騰とアメリカによる関税強化の影響から都民の命と暮らしを守るために補正予算の編成と、国への要望を求める申し入れ」と題したもので、水道料金の引き下げは確かに盛り込まれてはいるものの、生活支援給付、月1万円の家賃補助制度を創設など給付、引き下げ、無償化のオンパレードの一つでしかない。それも、財源などにはまったく言及しておらず、まさに無責任野党が作成した一方的な要求にすぎない。
それを「共産党都議団の提言で都政が動いた」というのは、これこそ〝手前味噌〟〝自画自賛〟〝厚顔無恥〟というものだろう。