立憲、国民の目は国民に向かず
どうも立憲民主や国民民主の野党は、国民の期待にこたえようという意思もないし、自民党に取って代わろうという気概もないようだ。
もともと、両党とも有権者から多くの支持を受けているわけではなく、支持率にいたっては虫眼鏡で見ないとわからないような〝虫眼鏡政党〟に堕落しているが、さらに有権者は置き去りにし、党利党略だけで突っ走るというらしい。国民に目が向かないコップの中の争いだ。
それというのも、立憲民主と国民民主は6月4日、夏の参院選での1人区について、いずれかの党の公認を得て出馬する野党統一候補は、もう一方の党に「推薦」を求めないことで合意したという。
野党統一候補でありながら、いずれかの党の公認候補は推薦より緩やかな「支持」の要請だけということだ。一般的に有権者は、野党統一候補と聞かされれば、相互に推薦し、一丸となって選挙を戦うと思うだろうが、どうやらそうではない。
もちろん、野党統一候補といっても、選挙のためだけの統一候補だから、有権者への目くらましに過ぎない。選挙が終われば統一候補だったことなどどこ吹く風で、ただの野党の参議院議員を作るという選挙目当ての野合なのだが、その野合でさえちゃんとできないという体たらくなのだ。
現在、野党は32ある1人区のうち、統一候補として無所属のほかは立憲公認7人、国民公認5人、共産公認3人を立候補させることが決まっているが、立憲民主、国民民主の公認候補が出る12選挙区では、相互推薦しないとう事態になるわけだ。
メディアなどでは、相互推薦を見送る背景について旧民進党分裂以来の確執が取りざたされ、立憲幹部が「公認候補が当選すればその党の公約の実現に頑張る。そういう人に他党が推薦を出すのは筋が違う」などと語ったと報じられている。
さらに言えば、国民民主では、山井和則国対委員長代行が6月3日に離党届を提出している。国民民主は昨年5月の結党以来すでに6人が離党しており、山井氏で7人目だ。
国民民主は小沢一郎氏との合流で耳目を集めたが、内実は惨憺たる状況で、それに加えて、相互推薦も見送りとなるわけだ。
立憲民主にしても国民民主にしても、選挙目当ての野合すらできない、もちろん、国民に政策も提示できない。そんな状況の中で、有権者は野党の候補に国政を委ねることができるのだろうか。
(terracePRESS編集部)