待機児童が2年連続減少

厚生労働省によると、2019年4月1日現在で、希望しても認可保育所に入れない待機児童は1万6772人だった。18年4月1日に比べ3123人、16%減り、過去最少となった。減少は2年連続だ。

 

内訳をみると、①待機児童のいる市区町村は、前年より7増加して442市区町村 ②待機児童が100人以上の市区町村は、前年から8減少して40市区町村 ③待機児童が100人以上増加したのは、那覇市(112人増)の1市 ④待機児童が100人以上減少したのは江戸川区(270人減)、目黒区(251人減)、市川市(247人減)などの13市区―などとなっている。

 

安倍政権は「子育て安心プラン」として2020年度末までの待機児童ゼロという目標を掲げている。一方、景気の拡大で労働市場が活性化しているため、子どもを認可保育所に預けて仕事をすることを希望する人が増えたり、幼稚園・保育園の無償化が始まることで、やはり子どもを預けたい人が増えたりすることは間違いない。

 

これは、アベノミクス効果や安倍政権の「人づくり革命」などさまざまな政策効果によって新たな待機児童を生み出す恐れがあることを意味し、この結果、20年度末の政府の目標を達成できない可能性も否定できない。政策のジレンマのようなものだろう。

しかし、待機児童が着実に減少していることは事実だし、労働市場の活性化や幼稚園・保育園の無償化も国民にとって歓迎すべきことだ。その中で、待機児童ゼロも目指さなければならないのだから、政府も自治体も懸命な努力をしている。

 

ちなみに「子育て安心プラン」は、20年度までの3カ年計画で、待機児童解消を図り、女性の就業率8割に対応できるよう、20年度末までに32万人分の保育の受け皿を確保することとしている。

厚労省によると、1年目である18年度の保育の受け皿拡大量は、市区町村分で約8.6万人分、企業主導型保育事業で約2.7万人分の計約11.2万人となったという。

 

現時点での20年度末までの見通しは、企業主導型保育事業の事業主拠出金による整備予定量とあわせて、約29.7万人分の保育の受け皿を拡大するという。

32万人分の受け皿確保に向けて順調に推移しているが、今後は保育士の確保なども大きな課題になるだろう。

 

また、待機児童ゼロを達成した自治体では、就学前の子どもの預け先について保護者の相談に応じる相談員である「保育コンシェルジュ」の活動が大いに貢献したとされている。

このため、市区町村では「保育コンシェルジュ」などを活用し、潜在的ニーズも含めた保育の利用意向を反映した受け皿整備などが重要になるのだろう。

 

(TerracePRESS編集部)