二階氏発言の一方的な批判はデマと同じ

台風19号による被害についての自民党の二階俊博幹事長の発言をめぐり、野党やメディアが一方的な批判を展開した。相変わらずの言葉尻を捉えた批判だが、まだ被害の全体像が把握できていない当初段階での発言を、被害が拡大した後も報道し続けることで、二階氏がさも台風19号被害を軽視しているかのような印象を与えている。

防災にかけては右に出る人物はいないという二階氏の政治家としてのこれまでの信条やスタンスさえ無視した報道ぶりには驚かされる。

 

二階氏が発言したのは、台風が東北地方の東海上に抜けた13日の緊急役員会でのことだ。台風被害について「予測されて色々言われたことに比べると、まずまずに収まった」と述べたものだ。役員会後には記者団に対して「日本がひっくり返るような災害に比べれば、そういうことだ。1人亡くなっても大変なことだ」と趣旨を説明した。その段階では判明した死者数は十数人で、現在のように84人もの死亡者が出る大災害であることは分かっていなかったのだ。

 

もちろん、二階氏は十数人の死亡者が出たことを軽視したわけでなく、それは記者団に「1人なくなっても大変なことだ」と語っていることからも明らかだ。

 

確かに、二階氏の発言は言葉足らずな部分があるかもしれない。発言をそのまま表面的に受け止めれば、家族を失った遺族や被災者は憤りを感じざるを得なかったかもしれない。しかし、二階氏は、防災や減災に取り組むことでは右に出る人はいないことで知られている政治家だ。「まずまずの被害でよかった」などと思うはずもない。

 

現在、政府は国土強靭化の3年間の緊急対策に取り組んでおり、大規模な浸水や土砂災害、地震・津波などの被害防止をする重要インフラの整備には3.5兆円を投資する方針で取り組んでいる。

 

この国土強靭化の生みの親が二階氏なのだ。東日本大震災を目の当たりにした二階氏が、その教訓を活かすため、スタートさせたのが国土強靭化だ。

「人間が完全に自然災害を予知し、防ぐには、限界がある。だからと言って、自然のなすがままにしていれば、国民生活は成り立たない。積極的に防災・減災に取り組み、国民の生命・財産を守っていく。それが政治の責務だ」との強い思いで、自民党の国土強靱化総合調査会の会長として、法案の策定などに奔走したのだ。政治の世界で、国民が安全や安心できる国土作りに取り組むことにかけては突出している。

 

その二階氏は19号被害対策のため、15日朝には「台風19号非常災害対策本部」の初会合を開催。これには自民党の国会議員約180人が参加した。同日の記者会見では「大規模補正の重要性も痛感している次第だ。各自の情報が集まって来た段階において、その対応を速やかに行ってまいりたいと思っている」と一早く災害復旧などの補正予算の編成の必要性を言及している。

 

また、記者の質問に対して「この災害は、極めて大きな災害であったと思っている。その災害は、日本全体のスケールで見るのも大事なことだが、その場所その場所での災害に対する対応にも、心を一つにして対応をしていかなきゃならないと思っている」と述べるなど、災害の専門家らしくきめ細かい対応の必要性も強調している。

 

さらに、二階氏は17日、埼玉、群馬、栃木、福島、茨城各県の河川の氾濫現場を空から視察。福島空港では橋本・須賀川市長や地元県議と意見交換し「皆さんの立場に立って精いっぱいのことをやらせてもらう」と述べている。

 

二階氏は15日夕、記者団に発言について「被災された皆様に誤解を招いたとすれば表現が不適切だった」と述べているが、メディアは17日にも二階氏に対し当初の発言の認識を問う質問を浴びせるなど、尋常ではない取材、報道ぶりだ。

 

二階氏の防災・減災に対する取り組みをも無視するばかりか、発災直後の発言をあたかも被害が拡大した後の発言のように扱うにいたってはもはやデマと同じだ。こうしたメディアの報道からは何も生み出すものはないだろう。

 

(terracePRESS編集部)