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安倍政権の成果

内閣府が、先ごろ開かれた経済財政諮問会議に「安倍政権6年間の経済財政政策の成果と課題」と題した資料を提出した。ご多分にもれず、ほとんどのメディアは報じていない。メディアの世論調査の内閣支持率などというと、その時点の〝空気〟が左右してしまうこともあるが、政権に対する評価は、こうした実態を正しく認識し、その上で決まるべきだろう。

 

資料は、主な成果(回りつつある経済の好循環)として ①戦後最長となる景気回復 ②成長と分配の好循環 ③着実な財政の健全化―の3つの柱を掲げている。

 

「戦後最長となる景気回復」は、過去最大規模のGDPを実現したことやデフレでない状況の実現、また過去最高水準の企業収益を達成したほか、観光産業を通じた日本全体への波及、TPP11及び日EU・EPAによるルールメイキングの主導などの実績を掲げた。

 

「成長と分配の好循環」では、良好な雇用環境と女性・高齢者の就労促進、今世紀最高水準の賃上げと正規化の進展、国民の生活満足度の改善など。

「着実な財政の健全化」としては、過去最高の税収と公債発行額の縮減といった成果を達成している。

 

事実、安倍政権の下で、GDPは名目・実質ともに過去最高水準に拡大し、景気回復は中小企業、非製造業、地方にも波及、景況感のばらつきが小さくなっている。2012年の第4四半期に493.0兆円だった名目GDPは、2019年度見通しで566.1兆円となり、73兆円増となる。

 

また、消費者物価は、2009年9月から12年12月までの変化率がマイナス0.9%だったのに対し、同月から18年11月までがプラス0.4%と、アベノミクスにより2013年前半からデフレ状況ではなくなっている。

 

雇用でもV字回復を果たしたことは事実で、12年12月に4.3%だった完全失業率は、18年11月は2.5%と25年ぶりの低水準となり、有効求人倍率も1を大きく上回る水準となっている。2012年以降は、生産年齢人口が451万人も減少したが、就業者数は251万人の増加となった。これは、子育て支援の充実や健康寿命の延伸などを背景に、女性や高齢者の就業者数が大幅に増加したことが一つの要因となっている。

 

財政再建の面でも成果を上げており、景気回復が実現しているため、2019年度政府予算案の一般会計税収は過去最高となる62.5兆円まで増加している。一方で、安倍政権の経済対策は、赤字国債に頼ることなく実施しており、公債発行額はリーマンショック以降の縮減を継続している。

 

こうした実績に対し野党やメディアは、目をつぶるばかりか、アベノミクスが失敗したかのように喧伝している。正しい情報が国民に伝われなければ、社会の先行きが案じられるだけだ。

 

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